今回は「寄付金の税務上の区分」と「寄付金の損金算入限度額」についてご紹介していきます。
「寄付」はどこにしても同じなの?
寄付をどこにするかはその会社の自由でしょうが、税務上は寄付をする相手を区分して、その区分ごとに税務上、どの程度まで経費としてよいかを決めています。会社が寄付をする場合、その寄付する相手がどのような区分とされているかも寄付をする際の重要なポイントとなってきます。
■区分1 国等に対する寄付金
国または地方公共団体に対する寄付金です。税務上も、その支払額全てを経費とすることが認められています。
■区分2 指定寄付金
公益目的の団体等のうち財務大臣が指定するものに対する寄付金です。
指定は「昭和40年大蔵省告示第154号」という告示をベースになされており、その後、年々改正加えられています。この告示を見ればどの団体等への支出が指定寄付金に該当するかが分かるというわけです。
税務上、支払額全てを経費とすることができます。
■区分3 特定公益増進法人に対する寄付金
指定寄付金かと思っていたところが一般寄付金に該当したり、その逆であったり…… 寄付金の支出先が一体どの区分に当てはまるのか、寄付をする前に必ず確認するようにしましょう! |
公益法人等のうち、教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与するもので一定のものに対する寄付金です。
具体的な法人名等は財務省のこちらのページに紹介がなされています。
また、NPO法人のうち特に認定を受けた法人(認定NPO法人)への寄付も同様の区分で取り扱われます。NPO法人はたくさんあるかと思いますが、認定NPO法人となると、その数はグッと限られてきます(詳細は国税庁「認定NPO法人名簿」をご参照ください)。
税務上経費と出来る金額には制限はあるものの、制限を越えた金額は次の区分4の寄付金として、もう一度経費にするチャンスが与えられます。
■区分4 一般の寄付金
これは上記区分1~3以外の寄付金です。お祭りのときの神社への寄付や、政治献金、宗教団体等に対する寄付金等が挙げられます。
これらは、税務上経費と出来る金額が一定の範囲内に制限されています。
その他、これらの区分に当てはまらない特殊な寄付金もありますが、重要なのは支出する前に、必ずどの寄付金になるか確認することです。
もし、分からなければお近くの税理士に確認するのが良いでしょう。