「寄付金」が税務上経費にならないワケ その1
■「寄付」は「会社の事業」との関連性が薄い
一般企業は何を目的に日々活動しているのでしょうか?
……それは「利益を上げるため」です。
商品を販売する会社であれば、商品の売り上げから、仕入れその他人件費等の経費を差し引いた「利益」を得るために、日夜努力してがんばる!というのが一般企業の第一の目標です。
また、会社の支出は何でも経費になるわけではなく、支出のうち「収益の獲得」に直接・間接的に役立つ支出だけが経費となる、と決められています。
つまり、仕事と関係の無い支出は「経費」とはならないのです。
「見返りを期待する支出」は寄付金でなく、交際費その他の経費となってしまいます。 支出の際には、その「実質」で判断することになります。 |
現在「寄付金」は企業会計上、基本的に経費となりますが、寄付金を支出することが会社の売り上げその他の収益を増やすことに直接結び付くか、といえばちょっとあやふやな点があることは否めません。
そもそも「見返りを期待しない」支出が寄付金です。また、寄付により広告宣伝の効果や、周囲の地域とスムーズな関係を構築できる、といった間接的な見返りがあるかもしれませんが、寄付金として支出した額のうち一体どれだけが収益を得るために役立ったのかを見積もるのは難しいこと。
つまり、寄付金には「経費性が薄い」という特性があるのです。
そんな特性を考慮して、税務上は無限に経費となるのではなく、限度額を設けている、というのが理由のひとつです。