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「○○税」は、忘れた頃にやってくる!(2ページ目)

個人で事業を行っている方は確定申告書の提出をし、納税を済ませれば「ホッ」と一息つけるかと思います。しかし、それもつかの間。いわゆる「住民税」の他に、もう1つ税金がかかる可能性が!あなたは大丈夫ですか?

執筆者:森 康博

「事業税の納税義務者」とは?

しらべる
まず「事業税の納税義務者」になるか、チェックしてみましょう!

それでは、早速どのような場合に「事業税の納税事務者」に該当するのか、解説していきましょう。

■要件1 「法定業種」に該当している事業をしている

事業税がかかってくる業種は、あらかじめ「これと、これ」といった形で決められています。この業種を「法定業種」といいます。大体の業種がこのなかに当てはまってくると思いますが、まずは確認してみるのがよいでしょう(業種の一覧は、この記事の最後にリンクでご紹介しています)。

■要件2 「事務所又は事業所」を設けている

事業税は「事務所又は事業所」を設けている都道府県に対して納める税金です。一応「事務所等がある」というのが要件となっていますが、これは「わざわざその事業用の事務所等を設けている」という意味ではありません。「その事業を営んでいるところ」が「事務所等」となりますので、この要件に当てはまらない人は、ほとんどいないかと思います。

■要件3 「事業主控除額」を超える所得がある

「所得」とは、収入から費用を差引いた「儲け」のことをいいます。「事業主控除額」は、前のページでも触れましたが290万円です。
気をつけないといけないのは、「290万円」というのは「青色申告特別控除前の金額で」ということです。「青色申告特別控除」はあくまでも「所得税の計算上の特例」ということで、事業税の場合はその代わりに「事業主控除額」があるのです。
ですから、たとえば「所得税」で65万円の青色申告特別控除を受けた後の所得が250万円の方の場合、「事業税計算上の所得」は「250万円+65万円=315万円」で、290万円を超える所得ですから、事業税の課税対象となるわけです。

みなさんが「事業税の納税義務者」に該当するかどうかを判定する場合、まず要件3に該当するかを確認し、該当するようであれば要件1に当てはまるかを調べてみるようにすればよいでしょう。

税額の計算と納税の時期は?

スッキリ
「個人事業税」まで気にかけられるようになれば、確定申告もバッチリです。
おつかれさまでした。

「事業税の納税義務者」に該当することになった場合、心配なのは「いくら払うのか」そして「いつ払うのか」ということでしょう(申告は前ページでご紹介のとおり、確定申告をしている場合は不要です)。

■税額の計算

個人事業税は業種を大きく3つに分け、業種ごとに3%から5%の率となると決められています。自分の業種に当てはまる税率が分かったら、あとは基本的に290万円を超える部分の金額に、税率を乗じて計算した金額が納めるべき個人事業税の額、ということになります。

■納税の時期

納税は確定申告をした年の8月と11月の2回に分けて納めることになります。「納税通知書」とともに「納付書」が事業所等のある都道府県から送られてきますので、それで納めることになります。

以上、個人の事業税についてご紹介してきました。「事業税の納税義務者」に該当することとなった方は、あらかじめ納税資金の確保をしておきましょう。
特に、フリーランスの方や、副業で不動産の貸付けをしている方は、申告前に確認してみてくださいね。


【関連リンク】
「個人事業税」(東京都主税局)
事業税の「法定業種」や、税率が書いてありますので。また、ここ以外にみなさんお住まいの都道府県の税務事務所のページをご参考になされば鬼に金棒です。   
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