預金通帳を開いてみれば……
「何に使おうかな?」貯蓄をしていると、通帳を見るのも楽しいですよね。 |
みなさんが預金通帳を開くのは、どんなときでしょうか?
給料日前に通帳を開いて、「これから給料日まで、どうしよう。」と資金繰りをする方もいらっしゃれば、給料日に給与が振り込まれているのを確認して「ムフフ」とほくそ笑むかたもいらっしゃるかもしれませんね。
「経理の仕事」をする人が預金通帳に触れるのは、日常茶飯事。通帳記入や伝票の起票、もしくは出納帳への記入のとき。あるいは、会社の取引を預金に集約してしまえば、通帳が預金出納帳代わりになってしまいますので、伝票や出納帳への記入を省略して、通帳から直接会計ソフトへ取引を入力している会社もあるかもしれません。
いずれにせよ、特に経理にとって通帳は無くてはならない大切な存在です。
でもこの「通帳」、普段はおとなしくてイイ奴なのに、たまーに経理マンや経理ウーマンを泣かせることがあります。
一体、なぜ泣くことになってしまうのか?その原因を探りつつ、今回は「預金通帳のふしぎ」についてご紹介しましょう。
「おかしな試算表」そのワケは?
きっとみなさんも最もいやな仕事のひとつであろう、「入力やり直し」へこんじゃいますよね。 |
それは私がクライアントからの試算表に目を通していたときのこと。その試算表には、普通預金から売上げ、経費に至るまでマイナスの数値がズラリと並んでいました。経費がマイナス残高になることはたまにあることですが、普通預金がマイナスになることはあり得ません。明らかにおかしな試算表です。
そこでクライアントの担当者の方に電話で確認してみると、普通預金は実際のところ、もちろんプラス残高とのこと。
「もしや……」と思い、預金通帳のコピーと普通預金の総勘定元帳を送ってもらい確認したところ、私の悪い予感が的中してしまいました。
なんと!担当者の方は預金の入金取引と出金取引を全て逆の仕訳で会計ソフトに入力してしまっていたのです。もちろん、その預金取引は全て入力のやり直し。その担当者の方は、泣く泣く入力作業をすることになってしまったのでした。
その担当者の方は簿記3級を持っており、普段ならばそんな間違えをする人ではありません。では、一体その担当者の方はどうしてこんなことをしてしまったのでしょう?