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賃金データから考える転職(3) 役職次第で最大450万円の差が

一般に、役職に就けばそれに応じた手当が支給されます。しかし、この役付手当の相場から見る以上に、役付きの人とそうでない人との賃金格差は大きいものがあります。

執筆者:西村 吉郎


役職次第で最大450万円の差が
役付きの人とそうでない人との賃金格差は大きいものがあります。
ひところ、ビジネスパーソンの志向は必ずしも「出世」には向かっていないといわれましたが、産能大が新入社員の将来目標を調査したところでは、管理職を志向するという人が、02年の22%から03年には30%にまで上昇したそうです。

一方、いずれは自分の会社を持ちたいという独立志向の人は、21%から12%へと大幅に減少しました。先行きがなかなか読みづらい時代とあってか、独立してリスクを背負うよりも、会社で出世を目指す方が得策と考えるようになってきたということでしょうか。

さて、今回は、役職別に見た賃金の実態を見てみましょう。結論からいえば、30代後半で部長職にまで出世した人と、何らの役職にもついていない、いわゆるヒラ社員とでは、年収にして約450万円(男子平均)もの差がついています。

賃金データに見る役職別年間収入

下のデータは、「賃金構造基本統計調査報告(平成15年版)」から、従業員数100人以上の企業で、35~39歳の年齢層の男子労働者並びに女子労働者の部長、課長、係長の各役職についている人および非職階の人の、「所定内賃金」と「年間賞与その他特別給与額」から年収を計算したものです。

職階別、性別年収比較(35~39歳)     単位:千円

職階名男子労働者非職階との差額(男子)女子労働者非職階との差額(女子)
部長9849.74518.811502.47532.7
課長7633.02302.17753.33783.6
係長6121.1790.25379.61409.9
非職階5330.9-3969.7-


この調査において最も調査サンプル数が多くなっている年齢層は、部長職で50~54歳、課長職で40~44歳、係長職で35~39歳、非職階で25~29歳となっています。したがって、30代後半では係長職まで出世できていれば、まあ平均的ということになりますが、もし同じ会社で、出世頭はすでに部長職に就いているということになると、その差約370万円はちょっと看過できない数字とえます。

なお、部長職と課長職では女性が男性を上回っていますが、これは、サンプル数がそれほど多くないために、特異な人の数値が平均値を押し上げているものと考えられます。あるいは、女性でいち早く出世できる人は、男性を上回るほどに優秀なのかもしれません。いずれにしても、実態は不明ですので、あくまでも参考程度に理解してください。

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