Q 宿直勤務で深夜労働としての賃金は支払われるか
福祉施設に勤務しており、週に1回の割合で、宿直当番が割り当てられます。決まった時間に検温したり、おむつを取り替えたりする仕事があるのですが、支給されるのは宿直手当のみで、深夜勤務扱いにはなりません。深夜勤務して賃金の支払いを求めることはできませんか。
A 宿直なら通常賃金の3分の1以上の支払いを請求できる
一般に、労働者が休日や夜間に会社での待機を命じられた場合、通常と同様の業務あるいは特別の待機であれば、当然、休日労働あるいは深夜労働として扱われ、労働時間に応じた割増賃金の支払いをうけることができます。
しかし、定時の見回り、緊急の電話への対応、郵便や小荷物の受け取りなどの業務だけでは、非常時に備えた待機が目的であるとして、日直や宿直の扱いとなります。ただし、会社での休日、夜間の待機を日直あるいは宿直として扱う場合には、会社は、労働基準監督署の許可を得ることが必要です。
入院設備のある社会福祉施設については、軽度かつ短時間の業務で、一定の要件を満たせば、宿直を置くことの許可を得ることができます。たとえば、検温、おむつの取り替え、夜尿のために起こす程度の業務であれば、軽度な業務とされ、宿直として認められるわけです。あなたの場合も、宿直の業務の範囲内であると考えていいでしょう。
宿直の場合、深夜労働としての賃金は支払われませんが、労働者は、1回の宿直に対して、通常賃金の3分の1以上の手当をもらう権利があります。あなたの場合、宿直手当が通常賃金の3分の1に満たないのであれば、足りない額を請求できます。
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