経営戦略のセオリーは、転職活動にも応用できる
最近取材でお会いした経営コンサルタントの著書に、『ピーター・F・ドラッカーが提唱する「企業がなすべきこと」-その6つの手順』なるものが紹介されていました。P・F・ドラッカーといえば、100歳になろうとする現在も現役の経営学者です。アメリカを初め世界中に多くの信奉者がいて、日本でも多くの訳本が出版されていますので、著書を読まれた人も少なくないのではないでしょうか。

それはともかく、この企業がなすべき6つの手順は、そのまんま転職活動にも応用が効くものだということに気づきました。で、そのドラッカーさんの示す手順に沿って、「転職者がなすべきこと-その6つの手順」を考えてみました。


手順1 事業を明確に定義する
自分のキャリアを定義する
ドラッカーは、企業はまず初めに、自社の事業内容を整理し、どこに自社のオリジナリティや強みがあるのかをしっかりと認識し、その上で事業を明確に定義することが重要だといっています。

転職者にとっても、まずは、自分がこれまでどんな事業や業務を経験し、その過程でどんな技術や知識を蓄積してきたのかを整理することから始める必要があります。これこそが、企業に自分を買ってもらうための売りのキャリアになるからです。

キャリア中に、ふつうではなかなか経験できそうにない特別な経験があれば、それは自分と他の人とを差別化するポイントとなるでしょう。キャリアを整理する途中で、自分が不足している部分も見えてくるはずです。その弱みをしっかり認識し、カバーするための手立ても用意しておきましょう。


手順2 目的と目標を明確にする
会社や仕事選びの基準を明確にする
たいていの企業は、短期・長期の経営目標を立て、それに向かって日々の事業を推進していきます。目的とする場所や位置が定まっていてこそ、会社が一丸となって進んでいけるわけです。

転職活動でも、目的や目標を定めておかなければ、歩き出す方向すら見当がつきません。もっといい給料が欲しい、時間にゆとりのある仕事がしたい、将来独立が見込める仕事がいいなど、転職の目的は社会に反するものでない限り、どんなものであっても構いません。その目的に沿って、とりあえず2年後にこの程度までのレベルに到達できたらというような目標を設定し、活動の方向性を定めていきましょう。


手順3 優先順位を決定する
お金と時間のどちらを優先するか
企業活動に欠かせないものとして、一般的にはヒト、モノ、カネ、情報の4つの資源が上げられますが、ドラッカーは情報の代わりに時間をその一つとして挙げ、どれも限りあるものだから、優先順位をつけてタイミングよく投入するしていくことが大事だと説いています。

転職活動ではとくに、カネと時間をどうとらえるかは重要な問題です。お金の心配をしたくないから辞める前に転職先を決めたいというのであれば、ある程度時間がかかるのは避けられませんし、かといって短期集中できるようにと先に会社を辞めてしまうと、生活のために貯金をはたかなければならなくなったりします。

金銭的な問題から急いで転職しようとすると、まま失敗することになりがちですが、時間的に余裕がない状況でも、いい会社と巡り会えたときに対応できなくて、せっかくのチャンスを逃してしまうこともあります。

資源というよりは環境と言い換えた方がしっくりくるかもしれません。蓄えの多寡や仕事の忙しさなど自分の環境をよく見極めて、どっちを優先して活動するか方針を決めておきましょう。