さて、転職したばかりの人の場合、こんな世間相場とは様相が変わってきます。転職して最初のボーナスは、賞与算定期間を満たしていない分、減額されるのがふつうだからです。
では、実際問題として、中途入社した人に対するボーナスはどのようにして決定されるのでしょうか。
具体的に見ていくと、それこそ100社100通りの決め方をしているといっていいのですが、大別すれば、いくつかのパターンに分類することができます。以下、基本的なパターン5つについて説明しましょう。
Pattern1
在籍期間に応じて日割または月割で計算
賞与算定期間に在籍した日数または月数に応じて、標準者に対する支給額を日割または月割で計算する方法です。このパターンでは、前提として、賞与算定期間の半分以上在籍していることなどの条件がつくことが多いようです。
月割計算の場合のもっとも単純なケースでの計算方法は次のようになります。
支給月数×算定基礎給×(6-n)/6=支給額
*nは、賞与算定期間のうちの在籍していなかった月数。
この計算方法では、算定期間に不足する月数さえ確認できれば簡単に支給額を計算することができます。
Pattern 2
標準者を1とする基準値をもとに在籍期間に応じた配分計数をかけて計算
ある一定年数以上の在籍者を標準値1とし、それ以下の勤続年数の人を年数に応じて前もって定めた配分係数に当てはめ、金額を算出する方法です。たとえば、満額支給の対象者を勤続年巣1年以上の人とし、過去1年以内の中途入社で在籍10カ月なら0.8、8カ月なら0.6といった具合に配分計数を決定して、これを「支給月数×算定基礎給」で計算される標準者の支給額に乗じて決定する方法です。
計算方法
支給月数×算定基礎給×配分計数=支給額
この計算方法では、標準者と設定されるモデルの在籍期間がポイントです。標準者モデル勤続年数1年以上となっている場合、転職して1年を経過しなければ標準者になれませんので、1年に夏冬2回のボーナスが支給される会社では、入社して2回目のボーナスまで満額支給を期待することはできないということになります。また、配分計数の立て方は各社まちまちで、必ずしも一定していません。