最低1カ月は冷却期間を置き、果たして自分の決断が正しいのかどうかをチェックしてみてください |
そんな漠然とした思いを抱きながらも、現実には、生活の重みや浮き世の辛さをかみしめつつ、働き続ける人がほとんどなわけです。たとえ前々から転職を考えていたとしても、いざ転職を決断するにあたっては、改めて整理してみたいことがたくさんあります。
辞めたいという思いが強まっても、最低1カ月は冷却期間を置き、果たして自分の決断が正しいのかどうかをチェックしてみてください。自分を客観的に見つめ直して、それでもなお転職したい気持ちが勝っているなら、あなたの「辞めたい度」は相当に高いといえます。
疲れやストレスがたまっていないか
人間、疲れやストレスがたまっていると、余計なことを考えがちです。残業続きだとか、仕事で失敗したとか、同僚と口論したとか、転職を決断するきっかけはさまざまでしょうが、それらのそもそもの原因はストレスだったりします。ストレスからくる症状としては、初期のうちは何となくだるい、血圧が上がるといった異変があり、さらに進むと、下痢、頭痛、腰痛、胃痛などの病状が見られます。
自分の体調から見て、ストレスがたまっているなと感じたら、運動するなり、映画を見るなりして気分転換に努めましょう。体調さえ元にもどれば、辞めたいという気持ちもなくなるはずです。
誰かに感化されていないか
たとえば、学生時代の友人などが仕事で活躍している様子や羽振りのよさそうな様子を見たり聞いたりすると、自分の会社の悪い面ばかりが目立ち始め、よその会社はそこもよさそうな会社に思えてくるものです。いわゆる「隣の芝生は青い」というやつです。現実には、どんな会社であれ、良いところと悪いところの両面があり、いまの勤め先も、また別の友人からすればいい会社と見られている可能性もあります。
友人にとっての良い会社、世間一般でいう良い会社が必ずしも自分に合うとは限りません。彼我の違いだけで今の仕事を辞めてしまうのは、失敗のもとです。
自分が重視したいものは何か
どんな会社も完璧ではありませんから、当然、何らかの不平不満は生じます。問題は、その不満が自分にとってどれだけ重要なのかを改めて考えてみることです。仕事内容、人間関係、給与、労働時間、福利厚生、会社の将来性、自分自身の将来性その他、会社生活を構成する要素ををピックアップし、それぞれが自分にとってどれだけ重要かの観点から順位付けをしてみてください。
その結果、自分の価値観としてどうしてもはずせない要素について不満があり、先々解消される見込みもない場合には、転職もやむを得ないということになるでしょうが、不満に思うことよりも自分にとって大事なことがいま現在は納得できる状況にあるとしたら、転職することで、大事なものを失うことにもなりかねません。