一方、履歴書郵送の型では、履歴書をポストに投函してから面接まで1週間はかかると見積っておく必要があります。応募先に届くまでに2日程度、書類選考に少なくとも1、2日、その後に応募先から電話が入り、その時点で面接日が設定されるという段取りになるからです。
かつて、筆者が関わっている求人情報誌が転職体験者650人を対象に行った「選考の実態調査」では、書類を提出してから面接まで、中小企業では平均5・8日、大手企業では14・1日を要していました。最近は、選考過程が短縮化される傾向にありますが、中小企業では約1週間、大手企業では約2週間を目安にするといいでしょう。
なお、面接の日時はたいていの場合、応募者側の都合を優先してもらえます。在職しながらの活動で、平日昼間には訪問しづらいというのであれば、業務終了後か休日の土曜日に設定してもらえるのがふつうなので、遠慮なく交渉してみましょう。
筆記試験や複次面接を想定しておこう
同じく「選考の実態調査」によると、面接と前後して筆記試験が課せられたという人は大手企業で85%、中小企業で35%に上り、面接も2回以上に及んだという人は、全体で52%となっていました。同じ雑誌が2000年8月に発行した号で発表した調査では、採用決定に至るまでの面接回数は1回が23.8%、2回が60.3%、3回以上が14.2%、4回以上が1.7%となっています。この結果からわかるように、企業の選考は、職業適性を見る適性検査や一般常識を見る筆記試験に、複次の面接を組み合わせていることが多いようです。
なお、複次の面接が行われる場合、2回目以降の面接は前回の面接から平均して1週間後に実施されています。現場のマネジャーや役員クラスが面接官となるため、応募者の都合よりもこれら面接する側の都合優先で日程が組まれることが多いようです。2次以降の面接は、応募者の都合に合わせてもらいやすい人事担当者による1次面接よりも日程には融通がきかないことが多くなりますので、場合によっては仕事を休む必要があることは覚悟しておくべきでしょう。
採用通知が届くのは最終面接からほぼ1週間
面接、筆記試験などが一通り終了すると、面接担当者によって、応募者の評価、選考が行われます。この最終選考は、一般に、面接担当者、役員クラス、配属予定先のマネジャーなどが集まっての合議となります。
面接官の胸の内では、面接の段階で合否の判断がある程度下されているものですが、最終選考は全応募者に対する面接が終了してから行われるのがふつうなので、応募者が多ければ、それだけ最終判断が出るまでには時間がかかることになります。具体的には、中小企業で平均6日前後、大手企業で11日前後を要しています。