天皇家の長女、紀宮清子さまは東京都職員黒田慶樹さんとご結婚されましたが、口さがない人々の間からは、「公務員」の黒田さんの収入を不安視する声が上がったそう。それはさておき、黒田さんは、三井銀行(現三井住友銀行)からの転職組です。
都庁に勤めだしたのは97年だそうですから、黒田さんは32歳で公務員に転職したことになります。
公務員採用試験というと、つい新卒でなければ受験できないように思いがちですが、実際には、既卒者であっても受験できるんですね。最近は公務員の業務も高度化し、民間企業などでの経験者に限定した<経験者採用>試験も行われています。
というわけで、主な公務員試験について、何歳まで受験できるのかをチェックしてみました。
最高齢では59歳未満で受験できるものも
公務員試験の受験区分と04年度採用における受験可能年齢の上限を一覧表(次ページ)にしました。最高齢は、警視庁特別捜査官・財務捜査官5級職(警部)で59歳未満となっています。もっとも、この試験を受けるには、公認会計士資格を保有し、民間などで8年以上の職務経験を持つか、税理士資格を保有し、10年以上の職務経験を持つことが必要となっています。
財務捜査官は、詐欺事件などの財産犯罪、粉飾による商法違反事件を財務・会計に関する専門知識を基に捜査し、検挙に結びつけていきます。ドラマにもなっているくらい、カッチョイイ仕事です。特別捜査官にはほかに科学捜査官、コンピュータ犯罪捜査官があり、コンピュータ犯罪捜査官なら、ソフトウエア開発技術者、もしくは中小企業診断士(情報部門)、情報処理技術者(ソフトウエア開発技術者)、情報セキュリティアドミニストレータなどの資格を保有して3年以上の実務経験があれば、33歳まで受験できます。
黒田さんが転職した東京都庁では、主任相当の経験者採用枠で経験9年以上、年齢36歳未満、一般の経験者枠で経験5年以上、年齢33歳未満という応募資格で、毎年1回、経験者採用が行われています。分野は事務と土木。04年には、経験者採用として75名が採用されました。
都庁では、経験者採用以外の一般枠でも一部を除き、既卒者も受験できますが、こちらは最高で29歳未満までとなっています。黒田さんの場合、32歳での転職ですから、経験者採用枠でのチャレンジであったことが推測できます。なお、主任級、一般とも、年によっては競争率50倍以上という狭き門です。