[記事執筆日/2008.7.15]

国際刑事裁判所とは

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国際刑事裁判所(ICC)とその管轄権。ICCはオランダ・ハーグにある。
国際刑事裁判所(ICC)とは、個人の戦争犯罪を裁くための常設の国際裁判所として、1998年に締結された「国際刑事裁判所に関するローマ規定」に基づき、2002年に発足したものです。

日本も2002年7月にこの条約に加入しています。しかしアメリカが加入していないのは大きな問題だと言われます。アメリカは各国で軍事作戦を展開しているため、アメリカ兵が国際刑事裁判所にかけられるのを嫌っているといわれています。

国際刑事裁判所は、(1)集団殺害犯罪(2)人道に対する犯罪(3)戦争犯罪(4)侵略犯罪についての裁判を行うことができます。もっとも、(1)~(3)については「ローマ規定」によって詳細に犯罪行為が定められていますが、(4)についてはそういった定めはなく、適用は難しいと考えられています。

裁判は刑事裁判所内で独立した地位を与えられた検察官の訴追によって始まります。もっとも「ローマ規定」の締約国内で行われたこと犯罪でなければ訴追できません。しかし例外として、国連安保理の付託決議があれば非締約国の犯罪についても捜査できることになっています。

裁判は二審制です。刑罰には死刑はなく、終身刑が最大。有期刑の場合は30年を超えないこととなっています。

スーダン大統領が逮捕される?

スーダン政府がダルフール紛争で各種の犯罪を犯したのではないかということが指摘されており、2005年4月、国連安保理はダルフール問題を国際刑事裁判所に付託する決議を採択しました(アメリカ・中国・ロシアは棄権)。スーダンは「ローマ規定」の非締約国です。

そして2008年の7月、捜査をしていたモレノオカンポ主任検察官は、スーダンの国家元首であるバシル大統領を大量虐殺と人道に対する罪、戦争犯罪の容疑で逮捕状を国際司法裁判所に請求したのです。

ローマ規定は、いかなる公的な職務も区別なく適用されるとあり、これまでの国際法であれば「外交特権」が認められてきた現役の国家元首も、逮捕・訴追されうることになりますが、確かに前代未聞です。

もちろん大統領側は大きな武力を持っており、すぐに逮捕できることはありませんが、これをめぐってPKOを展開している国連やAU(アフリカ連合)らとスーダンの関係が悪化することが懸念されています。

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