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「ワークシェアリング」ってどんな制度?(3ページ目)

「派遣切り」から正社員のリストラまで、雇用環境は悪化する一方! そんな折、注目を集めているのがワークシェアリングです。そこで、ワークシェアリングとはどんな制度? 外国は、どんな方法で雇用を増やした?

執筆者:志田 玲子

「三者痛み分け」で、オランダの失業率は劇的に低下!

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未曾有の不況に立ち向かうには、労組双方とも互いに手を携える発想が必要……
オランダでは、失業率が12%超という雇用不況のどん底にあった1982年に、ワークシェアリングを導入。その甲斐あって、2000年は3%→2001年には2%台と、失業率が劇的に改善しました。一体、どんな方法で難局を乗り切った?

■第1段階…… 労働時間を短縮すると共に、労働者の給料をカット。ただし、労働時間に連動しない福利厚生などは、経営側が維持。また政府は、減税と共に社会保険料負担を軽減する措置を実施。
■第2段階…… パートタイマーを増やすことで、雇用を拡大。

第1段階=緊急避難段階では、労働者が給料カットの「痛み」を受け入れる代わりに、経営側は、労働者のための福利厚生などを維持。一方、政府は社会保険料の引き下げなどにより、労働者の負担を抑える政策を実施。つまり、三者それぞれが負担を分け合う「三者痛み分け」によって、働く人たちの負担をやわらげる配慮がなされたわけです。労働者が給料カットを受け入れられたのも、納得……。

そして、第2段階では、働き方を多様化することでパートタイム雇用を拡大。オランダでは、87年から働く女性が急増する中で、その7割がパートで占められています。ただ同国では、パートタイマーとフルタイマーの賃金格差が極めて小さく、わずか7%程度(女性)。一方、日本の場合はなんと約44%!(賞与を含む) ワークシェアリング以前に、正規雇用と非正規雇用の待遇格差を縮小することが先決!と言えそう……。

オランダの6倍超の待遇格差をどう改善する?

以上、外国事例をいくつか見てきましたが、ワークシェアリングを導入する場合、労働時間短縮に伴う給料カットが、まず避けられません。ただでさえ、正規雇用に比べて冷遇されている非正規雇用の給料をさらに減らそうとすれば、大きな反発を招くのは必至。ワークシェアリングの議論以前に、オランダの6倍超に上る壮絶な待遇格差を、どう是正していくのか? 労組双方とも、真剣に考えるべき時が来ているようです。

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