スマートグリッドに積極的な米国

ホワイトハウス
スマートグリッドは、米国グリーン・ニューディール政策の目玉の1つ
米国では、スマートグリッドが環境政策(グリーン・ニューディール政策)の目玉として、45億ドルもの予算を組む国家プロジェクトなっています。

2003年の米国・カナダの大停電は、未だ記憶に新しいことです。米国では老朽化した送電設備が多く、停電は頻繁に起こります。そのため、スマート・グリッド導入は効果が大きいと見られています。単なる景気浮揚の公共工事というだけではなく、国民の生活を快適にする重要なインフラ整備の1つでもあるのです。

じつは米国での送電設備のインフラ整備は、オバマ大統領就任以前からの重要な課題でもありました。そこに世界的な経済危機が降りかかり、グリーン・ニューディール政策の必要性が浮上したのです。国策として大きなバックアップができたため、新しい産業として急成長する期待がかかり、注目を集めているのです。

日本と米国の連携

米政府では、2011年からスマートグリッドの実証研究を計画。この研究には、経済産業省の呼びかけで日本企業も参加を検討しているようです。

2009年4月には、米国・ニューメキシコ州アルバカーキで日米双方の専門家が参加するワークショップを開催。日米双方の企業、公的研究機関、政府関係者等が情報交換し、日米での共同実証研究を視野に入れた議論が交わされました。日本側からはエネルギー(電力・ガス)、電機、情報通信等の企業や公的研究機関の専門家等が約30名参加。全米展開を予定しているスマートグリッドは、官民挙げて、日本企業のビジネスチャンスにもなり得るととらえているようです。

国内でもスマートグリッドの技術開発が本格化

日本経済新聞の報道によれば、国内でもスマートグリッドの実証実験が相次いで計画されているようです。

堺市では、2010年度にスマートグリッドの実証実験を実施するとのこと。シャープや関西電力などが参加する見通しです。日経の報道では、「太陽光発電システムを設置した堺市内の住宅をインターネットで結び、電力を一元管理することで省エネ効果を検証」、「家庭で余った太陽光発電の電力を同市内の次世代型路面電車などに供給する計画」とのことです。

東京電力、日立、東工大なども2010年度から実証実験開始を予定しているとのこと。太陽光発電システムを設置している人は、発電で電力が余ると電力会社に売ります。その際、電力会社の送電線網に大量に電力が送られると、周波数が変動して電気製品が使えなくなるなどの問題が生じます。

東電・日立・東工大チームの実験では、このような影響を最小限に抑えるために、送配電網に蓄電池を組み込む実験を計画。計測器を取り付けたユーザーの電力需要をきめ細かく管理し、太陽光発電を有効利用できる時間帯を把握する実験も計画しています。

次のページでは、スマートグリッドが日本でどのようなビジネスチャンスになるかをご紹介します。