政権交代後への期待が高ければ、株価上昇
株価が上がるも下がるも、選挙後の日本がどうなるかの見通ししだい |
多くの国民、というより投資家が、現状の政権に不満を抱いていて、政権交代に期待をしているならば、政権交代の可能性次第で株価が上昇することもあります。
2005年8月の郵政解散、9月総選挙がそうでした。
当時、投資家の多くは、小泉構造改革を支持していました。構造改革が進めば、日本の企業の競争力が高まったり、日本の財政赤字減少によって日本経済の成長力が増すなど、投資環境が良くなると判断されていたからです。そのため、小泉元首相が衆議院を解散宣言した直後こそ株価は下落したものの、みるみるうちに買い注文が集まって株価は切り返し、結局、終値では前日に比べ上昇したのです。
「株屋は信用できない」と失言した麻生首相。証券界には決して気分の良い話ではありません。選挙戦の動向しだいで、麻生首相退陣の可能性が濃くなれば、株式市場で好感されるかもしれません。
今の政治は、株価材料にもなり得ない?!
とはいえ、今、衆議院の解散総選挙が決まったところで、そもそも選挙自体が株式市場を大きく動かすニュースとならないかもしれません。今の日本は、国民の多くが、自民党に愛想をつかし民主党も信用できず、政治不信が募っている雰囲気が漂っています。政治に関心が薄い……というか、今、政治そのものが、良くも悪くも株式市場を動かすほどのインパクトがない状況だと感じられます。
それなら、選挙の結果がどう転んでも、株式市場を揺るがすニュースにはならないということです。
優れた政策が打ち出され、日本の経済を立て直す期待が国民の間で高まり、政治に関心が寄せられていれば、株価への影響は大きいでしょう。しかし残念ながら、日本国内のニュースよりアメリカの景気動向の方が、よほど日本の株式市場に及ぼす影響が大きいのが現状。このままでは、衆議院を解散しようが、選挙でどこが第一政党になろうが、新内閣の顔ぶれが誰であろうが、株価への影響は限定的といえるでしょう。
もしも選挙が株価に影響するなら投資家は?
そうは言っても、もしも万が一、国民の政治への関心が戻ってきて総選挙の行方が株価を占うことになるとすれば、投資家がすべきことは何でしょうか。各政党のマニフェストをよく読み、選挙後の第一政党がどこになりそうか世論に耳を傾け、選挙後の政策で日本経済がどのような方向性になるかを考えることです。選挙後の政治のみならず、日本経済が明るくなりそうなら、株価は上昇するでしょう。
また、政策によってビジネス的に恩恵を受ける企業はどこか、と考えていけば、選挙で株価が上昇しそうな銘柄を導き出すことができるでしょう。
しかし、あくまでも選挙の結果というのは、その時に株式市場を取り巻いている多くの出来事の中の1つに過ぎません。あらゆるタイプの、他の良いニュースや悪いニュースが、それぞれに株価判断に作用し、その結果が今日の株価になっていることをお忘れなく。
【関連サイト】
・『検証!小泉政権と株価のターニングポイント』
・『03年10月小泉内閣解散、衆院選時の株価は? 選挙と株価の関係 -その2-(All About「株式入門」ガイドサイト』
【関連リンク】
・『株式・投資のイロハを学ぶ』