2ページ目 【二大派閥、森派(清和会)と津島派(経世会)】
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【丹羽・古賀派、谷垣派、河野派、伊吹派、山崎派、高村派、二階派】
丹羽・古賀派(宏池会)
1960年代、高度成長政策を推進した池田勇人(元首相)を源流に持つ古い派閥です。「元祖保守本流」ともいわれます。丹羽・古賀派の系譜。1990年代から分裂を繰り返し、派閥の力は弱まったといわれる。 |
池田の後、前尾繁三郎(元衆院議長)を経て、1970年代を通じ大平正芳(元首相)が派閥会長に就任。田中派と連携し、大平、そしてその後継となった鈴木善幸(元首相)が相次いで総理総裁となります。また、鈴木の後継となった宮沢喜一も首相に就いています。
しかし宮沢の後は分裂が続きました。加藤紘一(元幹事長)と河野洋平(現衆院議長)の抗争を経て河野が派閥を離脱。加藤が派閥を継承しますが、2000年加藤が森政権に反旗を翻し野党提出の内閣不信任案に同調する姿勢をみせると、古賀誠(元幹事長)らが反発、これによって派閥は堀内光雄(元総務会長)と加藤の派閥に分裂、その多くが堀内派につきました。
2005年、会長堀内自身が「郵政造反」によって会長を辞めると派閥は古賀と丹羽雄哉(元厚相)を中心とした体制に。2006年、二人が共同代表となることによって、「丹羽・古賀派」と言われるようになっています。
現在第三派閥。リベラル色が濃いといわれています。一方で「お公家集団」と揶揄(やゆ)されることも(ここから分裂したほかの派閥も同様)。
谷垣派(宏池会)
分裂した加藤派の後継です。2002年、元秘書の事件に責任をとる形で加藤が会長を退くと小里貞利(元労相)が会長を継ぎますが、小里が2005年の総選挙に出馬せず引退、谷垣禎一(財務相)が会長と派閥を引き継いでいます。
派閥勢力は小さいものの、団結力はあるといわれています。
河野派(大勇会)
河野洋平が宮沢派から分かれて作った派閥です。小派閥なので「グループ」と呼ばれることも。河野が現在衆院議長のため、会長職はなし。後継として麻生太郎(総務相)が有力ですが、派閥継承が確定したわけではありません。
伊吹派(志帥会)
山崎派と第4派閥の座を争う派閥で、中曽根康弘(元首相)の派閥が源流です。伊吹派の系譜。中曽根派を源流に持ちつつ、森派の要素も持っている。 |
中曽根派を継いだ渡辺美智雄(元外相)が病死し後継不在のなか、山崎拓(元副総裁)が派閥を離脱して新派閥を結成すると、三塚派(現在の森派)から分裂してきた亀井静香グループと旧中曽根派が合流、現在の派閥を結成しました。
しかし2005年の郵政民営化法案をめぐって派閥は大きく混乱、亀井は会長を辞め、ついには自民党から離脱。同年末に伊吹文明元労相が会長に就任し、現在は伊吹派といわれています。
ただ伊吹体制は暫定的なものとみなされていて、将来的には中川昭一(現農相)が「次の次」的な総裁候補として派閥をまとめていくものとみられています。
山崎派(近未来政治研究会)
山崎拓(元副総裁)が旧中曽根派から分かれて創設、現在も会長を務めている派閥です。近年の派閥としては結束力が高いといわれてきましたが、2006年の総裁選では反安倍色の濃い山崎に反発の声も上がりはじめ、結束力にもひびが、といわれはじめました。また、もともと派閥出身だった武部勤(現幹事長)が独自グループを作る動きもあるといわれています。
中曽根系の伊吹派、山崎派はともに比較的右派だといわれています。ただ、それは外交政策に限ったことで、経済政策など内政については実は多様だともいわれています。
高村派(番町政策研究所)
三木武夫(元首相)が自民党結党以前率いていた国民協同党の流れを組むとされる古い派閥です。三木の後を河本敏夫(元経済企画庁長官)が、その後集団指導体制を経て現在へ。常に小派閥でしたが、派閥の持つクリーンなイメージが買われたのか、自民党が大きなスキャンダルに揺れるとき、首相を輩出してきました(三木武夫・海部俊樹)。
特に離合集散はなく、2001年から高村正彦(元外相)が会長となり高村派となっています。昔は左派色の強いことで知られていましたが、現在その色はあまり目立ってはいません。
二階グループ(新しい波)
自民党の中では最も新しい派閥です。小派閥なのでグループと呼ばれることもありますが、勢力は増しています。もともと自由党とわかれて保守党(後に保守新党)を結成したメンバーが中核です。自民党と連立を組んでいましたが2003年に解散、自民党に合流、その大半がこの派閥を作りました。
会長の二階俊博(現経産相)が小泉執行部と近く、郵政法案や選挙への貢献が大きかったことから、勢力は上向きです。ただし、今後の動きがどうなるのかは未知数なところが大きいと言えます。
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