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金メダルに貢献した水着、株価下落の理由(3ページ目)

英スピード社の水着の国内販売権を持つ、東証一部上場のゴールドウイン。北京五輪を株価材料に、どのような動きをしたでしょうか。株式投資の判断に役立つヒントをお伝えします。

執筆者:石原 敬子

イベントがゴールになりやすい

では、あなたはいくらで売れたか、実際の株価で見てみましょう。前ページで選んだ(1)~(3)のところを読んで下さい。

(1)486円から413円の間で、売れました。

(2)465円から380円の間で、売れました。

(3)あなたは、いったいいくらの株価で売れるでしょうか。


普通に考えれば、五輪でスピード社の水着を着た日本人選手が活躍することで、ゴールドウインの株価が上がると思われることでしょう。しかし、そう単純にはいかないことが多いのです。

では、五輪が開催してからの株価がどうなったかを見てみましょう。

図表2:ゴールドウインの株価チャート
(2008年5月1日~8月14日、東証終値)



8月11日、北島選手が金メダルを獲得したものの、その日のゴールドウイン株は朝からじりじりと値を下げ、午後にはとうとうストップ安の380円に。水着規定改正を聞いてから株を買った人が、ギリギリの利益で逃げ切れる水準です。

翌12日は、1日中売り気配で値がつかず、終値でストップ安比例配分の300円。水着規定改正発表後に株を買った人が、損失を出す水準となってしまいました。

売り逃げの場面は、買い以上に難しいものです。ここまで株価が下がり、売り逃している人は、「北島選手が次に出場する200m平泳ぎ、この結果次第で決勝のある14日に再び売れる株価になるかも?」と期待することでしょう。

しかし、晴れて北島選手が2大会連続2冠を達成した14日、株価はますます下がります。この時点で、6月のジャパンオープン終了後に買った人はみな、損失を抱えることに。見切り売りの苦手な人は、競泳種目の最後まで、戻り売りを待つことになるでしょう。さて、株価は今後どう動くでしょうか。

株価材料についていくのは、いつがよいか?

オリンピックに限らず、あるイベントを材料にして株価が上昇している場合、そのネタが発表された時点で、もう古い材料と判断され、株価への影響が薄れてしまうことが多いものです。そのネタが実行される日まで持っていたら、時既に遅し、となってしまうのが通常です。

株式市場では新しい材料で株が買われ、次にまた新しい材料が出るのを予測してそれを追い求めながら、短期的な投資資金が動いていきます。

しかし、これでは確定しないニュースを先読みして、売買するしかありません。投資家のスタンスにもよりますが、もしあなたが、長期的な視野でなるべくリスクを抑えた株式投資をするのなら、目先の材料にパッと反応して上昇するような銘柄を追いかけるのは、避けた方が無難です。たとえその時に魅力的見えたとしても。

株式投資の基本は、「長い目で応援できる企業の株式を買いましょう」と唱えられているものの、実際の市場参加者には、短期的に売買する資金もいるのが実情です。その売買によって株価が乱高下することもあるので、惑わされないように注意が必要です。

ある話題が沸騰している時、「それを材料に株を買ったら儲かるのでは?」とよく聞かれます。その話題が一過性の場合もあります。息が長い投資テーマとなる時もあります。その株価材料が企業業績を押し上げるなど、広く多くの投資家から評価される話題なのかを考えると判断がつきやすいでしょう。

【関連サイト】

「『魔法の水着』にこんなクレーム」(All About「よくわかる時事問題」ガイドサイト)」

「新水着に揺れる世界の水泳界(All About「世界のニュース・トレンド」ガイドサイト)」

【関連リンク】

「株式・投資のイロハを学ぶ」

「北京五輪(All About)」
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