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シリーズ"家計"2007年の家計簿を覗き見!(3ページ目)

家計調査で分かる、平均的な収入・支出と貯蓄・負債額。2007年の結果から、最近の家計の現状や年代別の特徴をご紹介します。

執筆者:石原 敬子

痛いのは教育費?苦しい40代

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20歳代では「住居」「被服及び履物」「交通・通信」の支払が多い
・30歳未満
二人以上の世帯で「住居」「被服及び履物」「交通・通信」が他の年代よりも高い支出になっています。

二人以上の世帯のうち勤労者世帯で、可処分所得の前年比実質増加率が5.5%と、他の世代に比べて高いのも特徴。しかし消費支出は微増にとどまっていて、可処分所得が増えたものの、それに相当するほど支出を増やしたわけではなさそうです。堅実な印象を受けました。

・30~39歳
二人以上の世帯では、他の世代に比べて突出した支出の傾向が見られません。ライフスタイルや生活上の嗜好が多様化している世代だということなのでしょうか。独身やDINKSが多く、比較的自由に消費ができる世代なのかもしれません。

・40~49歳
二人以上の世帯で消費支出が実質0.4%の減少。他の年代では増加しているのに、唯一減少した世代です。その理由を考えてみると、この年代が他より「教育」「教養娯楽」の支出が多く、教育費や月謝のために他の消費を抑え目にする傾向があるのではないでしょうか。

・50~59歳
二人以上の世帯で、圧倒的に他のうより高いのが「その他の支出」。そのうち「仕送り金」が群を抜いています。自宅外通学の子どもを持つ世帯の多い世代と考えられますが、その分、低く抑えているのはどうやら「食費」のようです。「食費」の支出割合が30歳未満に次いで低くなっています。

また、二人以上の世帯のうちの勤労者世帯の中では、消費支出が最も高い世代でもあります。可処分所得が前年比実質で横ばいにも関わらず、消費支出は実質3.1%の増加。これは消費性向が増加していることにも関係がありそうです。収入が増えない中、何とか「仕送り」を捻出しているのではないかと考えられます。

・60歳~69歳
60歳以上の二人以上の世帯のうちの勤労者世帯で、可処分所得が実質4.2%増加。可処分所得の金額の低い層で、可処分所得の増加率が高い傾向にあります。所得格差が縮まっている表れでしょうか。退職金を受け取る世帯が多かったことも影響しているのかもしれません。

02年から06年までは、この世代の二人以上の世帯のうちの勤労者世帯で平均消費性向が上昇していましたが、07年は低下。可処分所得が増えたことが低下の原因かと思われます。

・70歳以上
基礎的支出(毎年の支出額に変化の小さい項目)が高い、つまり特別支出が少ないのが特徴です。エンゲル係数が高く、近年は二人以上の世帯で25%台とにも上ります。他に他の年代より高い特徴的なのは保健医療で、二人以上の世帯の平均が4.4%に対して6.3%となっています。

各世代の特徴から浮かび上がってくるのは、教育費の負担です。消費を喚起するには、教育費などの支援策が必要かもしれません。また、食の安全や資源価格の影響が、今後の消費動向にどのように影響するのか、要注目です。

ところで、2007年にはどのような出来事・ニュースが消費に結びついたのでしょうか。シリーズ次の記事「ニュースでたどる消費の傾向」で見てみることにしましょう。


【関連サイト】

「標準的な家計、知りたい?」

「ニュースでたどる消費の傾向」

「家計調査」(総務省統計局)

【関連リンク】

「景気指標や経済データ検索」
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