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原油先物価格、WTIとは?(2ページ目)

原油価格を伝えるニュースでよく聞く、「ニューヨークの原油先物」「WTI」とはなんでしょう。原油価格を知る上で、これらの言葉の意味を理解しておきましょう。

執筆者:石原 敬子

WTI、原油のニュースで耳にするけど?

飛行機
WTIはジェット燃料にも使われる、品質の高い原油の先物
WTIとは、世界的に注目される原油価格の指標で、ウエスト・テキサス・インターミディエート(West Texas Intermediate)の略です。ニューヨークのマーカンタイル(商品)取引所(NYMEX)で取引されている、原油価格の先物です。この先物の値動きが世界的に原油価格の指標として注目されているため、原油価格のニュースなどで取り上げられているということなのです。

WTIは、米国テキサス州で産出される原油で、ガソリンを多く取り出せる硫黄分が少ないので品質が高く、人気があります。暖房の燃料や、ジェット燃料などにも使われる、付加価値の高い上質の原油です。そのため、WTIは原油価格の先物取引の1つであるものの、それだけにとどまらずに、原油価格の代名詞とも言ってよく、さらに世界経済の重要な経済指標の1つという位置づけにもなっているのです。

これを先物取引の原商品として売買する市場としては、ニューヨーク・マーカンタイル取引所の他に、北海原油を標準とするロンドン国際石油取引所(IPE)、中東ドバイ産原油を標準とする東京工業品取引所(TOCOM)があります。

ニュースでよく言う、原油価格とは?

一般に、ニュースなどで「1バレル=○○ドル」などと伝えられている原油価格とは、実際の原油を購入する際の、スポット価格のことを言っているのではありません。先物の原油価格のことなのです。

先物取引とは前述のとおりバーチャルの取引で、実際にほとんどのケースでは原油そのものをやり取りするわけではありません。原油価格としてニュースで伝えられている価格は、一般にはニューヨーク・マーカンタイル取引所のWTIという先物価格のことなのです。

先物取引には実際の買い物だけではなくバーチャルな投機的な資金が入ってくるために、本来の原油の需要以上の影響が価格を大きく動かします。現在では新興国の発展に伴う原油の需要も確かに高いのですが、それ以上に投機資金による原油価格の変動も大きいのが現状です。

現在の原油価格高騰は、投機資金の対象として原油が注目されていることが背景の1つです。今後、原油に代わる投機資金の魅力的な運用先が出てくるようなら、少しは原油価格の高騰が抑えられることにもなるかもしれません。

【関連サイト】

『原油の1バレルは何リットル?ガロンって?』

「バレル」(All About用語集)

『ガソリン価格はどこまで上がるのか?』(All About“世界のニュース・トレンド”ガイドサイト)

『「原油価格」はなぜ、上昇を続けるのか?』(All About“よくわかる時事問題”ガイドサイト)

【関連リンク】

物価・インフレ・デフレ・地価
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