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「鳥インフルエンザ」はなぜ脅威なのか?(3ページ目)

韓国で鳥インフルエンザの感染が拡大する中、国内でも相次いで、渡り鳥から強毒ウイルスを検出! アジア地域では、警戒感が日増しに高まっています。そこで、鳥インフルエンザとはどんな病気? どこが脅威なの?

執筆者:志田 玲子

新型インフルエンザの大流行で、最大1.5億人が死亡?!

画像の代替テキスト
ウイルス感染に、空や海の「垣根」はなし! 国の対策は、果たして万全?
写真提供:フリー画像素材EyesPic
2ページで見たように、鳥インフルエンザは通常、ヒトに感染することはありません。ところが、ウイルスが変異する(性質が変わる)ことによりヒトへ感染し、さらにはヒトからヒトへ感染する可能性があるのです。このように変異したインフルエンザウイルスによって引き起こされるのが、新型インフルエンザ。鳥インフルエンザの場合も、H5N1型のウィルス感染が拡大する中、こうした新型インフルエンザへの変異が心配されています。

新型インフルエンザは、ヒトのほとんどが免疫を持っていないため、一旦発生すると世界的な大流行(パンデミック)が引き起こされる危険性があります。ちなみに、世界保健機関(WHO)の予測によると、大流行した場合は世界中でなんと、500万~1.5億人の死者が発生!

国の新型インフルエンザ対策は大丈夫?

では、国は恐怖の新型インフルエンザに対し、どんな対策をとっている? 主な対策は、抗インフルエンザウイルス薬や鳥インフルエンザ(H5N1型)に対するワクチンの備蓄です。
■抗インフルエンザウイルス薬…… 国と都道府県で約2,900万人分。タミフルなど、毎年流行する通常のインフルエンザの治療薬
■プレパンデミックワクチン…… 2,000万人分(国)

国の推計によれば、新型インフルエンザが大流行した場合、国内では4人に1人=約3,200万人が感染、最大2,500万人が医療機関を受診、同64万人が死亡します。現在2,000万人分しかないワクチンは今後、3,000万人に増やす方向ですが、それでもまだ、感染者の数に200万人ほど足りない……。また、備蓄されているプレパンデミックワクチンは、現在流行している鳥インフルエンザに対するワクチンで、新型インフルエンザに対する有効性は確立していません。

国民の生命・健康を脅かす「今そこにある危機」に、どう対処するのか? 備蓄拡大や、開発中の新しいワクチンの有効性確保など、国のリスク・マネジメント能力が改めて問われそうです。

【記事の関連サイト】
●All About「よくわかる時事問題」のサイト
今年も、はしかが大流行?!
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●その他のサイト
新型インフルエンザに関するQ&A、厚生労働省


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