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「鳥インフルエンザ」はなぜ脅威なのか?(2ページ目)

韓国で鳥インフルエンザの感染が拡大する中、国内でも相次いで、渡り鳥から強毒ウイルスを検出! アジア地域では、警戒感が日増しに高まっています。そこで、鳥インフルエンザとはどんな病気? どこが脅威なの?

執筆者:志田 玲子

鳥インフルエンザとはどんな病気?

画像の代替テキスト
くしゃみやせきを通じて感染するインフルエンザ。鳥→新型への変異に戦々恐々!
鳥インフルエンザは、A型インフルエンザウイルス(インフルエンザウィルスのタイプの1つ)が引き起こす鳥の病気。中でも深刻なのが、高病原性鳥インフルエンザです。鶏などがこれにかかると、その多くが死んでしまうか(強毒タイプ)、死に至らないまでも、せきが出たり、産卵率が下がったりします(弱毒タイプ)。

さらに、高病原性鳥インフルエンザの中で特に恐れられているのが、強毒性ウイルスのH5N1型。鳥が感染すると、全身出血などの激しい症状が現れ、致死率はほぼ100%! 国内では、2004年に山口県・京都府などの養鶏場で、2007年1月には、1ページで見たように宮崎県で確認されています。

恐るべしヒト感染! 5年で236人が死亡

このように、鳥インフルエンザはもともと鳥がかかる病気ですが、ヒトへは感染しないの? 鳥インフルエンザは、これにかかった鶏と接触して人体に大量のウイルスが入り込んだ場合、ごくまれにヒト感染が起こるとされています。ただ、ここ十年を振り返ると、ヒトへの感染が拡大傾向! H5N1型の場合、1997年に香港で初めてヒト感染が確認された後、2003年以降、東南アジアを中心に再び流行。今年3月までの約5年間で、H5N1型の発症者数は合計373人に上り、そのうち236人=6割以上が死に至っています。ヒトへの感染は「ごくまれ」とはいえ、流行の脅威は侮れない……。

さて、ヒトへの感染拡大もさることながら、現在最も恐れられているのが、鳥インフルエンザから新型インフルエンザへの変異です。そこで、新型インフルエンザの発生は、どんな被害をもたらす? → 次のページへ
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