高速水着で記録ラッシュだった世界水泳
人間はどこまで魚に近づけるのだろうか? |
2週間あまりの大会で生まれた世界記録の数は、なんと43種目にもなります。レーザー・レーサーが主流だった北京五輪ですら世界記録の数は25だったので、それをはるかに上回っています。世界水泳で記録が生まれなかった種目数は、わずか9であったと言われます。
新記録連発するもFINAが規制へ……
このように水泳界を席巻している高速水着に対して、FINA(国際水泳連盟)が規制に動き出しています。FINAは世界水泳大会中の7月24日に開催された総会で、公式大会に使用できる競泳水着の形や素材を規制する方針を決定しました。まず素材ついては、今後は織物以外の素材は認められなくなるので、ラバー製の「Xグライド」や、ジャケド社のポリウレタン製の水着は使用ができなくなります。同時に織物の厚さも規定が厳しくなり、現行では1ミリ以下と決められている規定が、0.8ミリ以下に変更。
そして、水着が体を覆う面積も規制されます。高速水着の多くは、体を覆う面積が多く、脚は足首まですっぽりと水着に包まれます。これは体を覆う面積が大きいと、浮く力が強くなるから。しかし今回発表された規制では、男子選手は腰からひざまで、女子選手は首や肩を覆わずに、ひざまでしか水着で覆うことはできません。
「世界記録出すぎ」のツケは?
8月2日で終了した世界水泳では、43種目もの世界記録が生まれる記録ラッシュとなりました。しかし今後は高速水着が規制されるため、かつてのような肉体だけで勝負する水泳に戻ることが考えられます。そのために、今回の世界水泳で出た世界記録は、当分の間破られないものが多く残るかもしれません。2008~09年に起こった「高速水着フィーバー」は、このようなツケを世界の水泳界に残していくのでしょうか?
参考サイト
日刊スポーツ(2009/8/1)産経新聞(2009/8/4)
産経新聞(2009/7/29)
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