燃費性の高い日本車は有利になるのか?
環境問題に対応するために世界的に燃費規制が敷かれる中、自動車業界はどうなっていくのでしょうか? 現実的に考えると、もともと燃費の良さに定評のあった日本車が、アメリカ車などに比べてますます有利になっていくと予想されます。日本車のなかでも例えばトヨタの「カローラ」は、北米向けモデルの燃費が1リットルあたり18.2キロであり、オバマ大統領が引き上げた燃費目標をクリアしています。それに対してGMやクライスラーなど既存のアメリカメーカーはこれから改善していかなくてはいけないモデルも多いので、その点でも日本車は有利と言えます。
トヨタの「プリウス」に見られるように、日本車にはハイブリッド車の優秀なモデルがあります。5月に発表された新型「プリウス」は、1リットルあたり38キロというきわめて高い燃費性能を持つハイブリッド車です。
2006~07年にかけての原油価格高騰の間は、燃費の良い日本車が世界の様々な地域で売上を伸ばしました。2007年にはトヨタがGMを抜いて、自動車の生産台数で世界一に躍り出ています。原油価格はすでに落ち着きましたが、燃費規制があるために日本車の優位はまだまだ続くでしょう。
燃費規制で危機に陥るバイオエタノール
バイオエタノールはとうもろこしなどの穀物から生産される |
そこに来てこの燃費規制の強化です。これではバイオエタノールの普及が難しくなります。アメリカで販売されている「E85」という燃料は、エタノール85%とガソリン15%を混合したものです。ですがこれで走行した場合は、ガソリンのみに比べて燃費が20~30%落ちるというデータが出ています。
一時期は世界中に注目され、アメリカやブラジルなどの生産地では生産用の工場や耕地がどんどん開発されていったバイオエタノールですが、ガソリンにとって替わるのはなかなか難しそうです。
参考サイト
IZA(2009/5/20)産経新聞(2009/5/20)
ロイター(2009/5/20)
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