アメリカのオバマ大統領が5月19日に、国内の自動車業界に課している燃費規制をさらに強化すると発表しました。この燃費規制とは、実はアメリカだけではなく日本でも設定されていますが、今後の自動車業界にどのように影響してくるでしょうか?

【CONTENTS】
目的は省エネと温室効果ガスの削減(1P目)
日本やEUの燃費規制(1P目)
燃費性の高い日本車は有利になるのか?(2P目)
燃費規制で危機に陥るバイオエタノール(2P目)

目的は省エネと温室効果ガスの削減

自動車
温室効果ガスの削減が世界的な課題になっているが……
燃費規制がかけられている目的は、自動車の燃費性能向上による省エネ・化石燃料消費の削減と、温暖化防止のための温室効果ガス削減にあります。

燃費規制自体は今回新しく設定されたものではありません。アメリカで2007年に成立した新エネルギー法では、2020年までに各自動車メーカーが製造する自動車の平均燃費を、当時よりも約40%高い1ガロンあたり35マイル(1リットルあたり約15キロ)にすることを規定していました。

今月になって発表された新しい燃費規制はそれをさらに強化したもので、2007年の予定をさらに4年早めて、2016年までに燃費目標を達成することを各メーカーに義務づけました。

実際には2012年から年5%ずつ燃費達成目標を引き上げていき、最終的には2016年に普通乗用車は1ガロンあたり39マイル(1リットルあたり約17キロ)、小型トラックは1ガロンあたり約30マイル(1リットルあたり約13キロ)が達成目標になります。これが達成できると、アメリカ全体でガソリンが約18億バレル節約でき、9億トンの温室効果ガス排出が削減されます。

日本やEUの燃費規制

日本は世界が地球温暖化について本格的に取り組むずっと前の1978年に、初めて燃費規制を導入しました。その後も何回か導入され、最も新しい2007年に施行された規制では、2015年までに1リットルあたり16.8キロという燃費目標を設定しています。これは2004年と比較して、23.5%もの燃費改善になります。

EUの燃費規制は二酸化炭素の排出量を基準にしていて、2015年までに走行1キロあたりの二酸化炭素排出量を130グラム以内に抑えるのが目標になっています。これは日本やアメリカのような燃費基準に直すと、1リットルあたり約18キロの水準なので、やや厳しいがほぼ日本やアメリカと同じと考えられます。