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疑似体験から実地へ~金銭教育が今ブーム!(2ページ目)

子どもたちに対する金銭教育の重要性が叫ばれ、さまざまなイベントが組まれるようになってきました。疑似体験から実地の体験へと金銭教育のやり方がだんだんと本格化しています。

執筆者:石原 敬子

小学生が商売?これが本当の金銭教育

仕入れ
子供たちが仕入れから販売まで実際にやってみる体験
千葉県松戸市を中心に活動している、「おかねの楽校(がっこう)」。ここでは、実際に小学生が商売をし、売上を郵便局に貯金する、という金銭教育を手がけています。

この「おかねの楽校」の取り組みが他と違うところは、疑似体験ではなく、実際に商売をしたりホンモノのお金を郵便局に貯金をするという実地体験をしているということと、年間を通したカリキュラムになっているところ。小学生が商売するとはどういうことなのでしょう。その授業を覗いてみることにしましょう。

「おかねの楽校」は、2005年6月に始まりました。土曜日がお休みとなった小学校で地域市民と子供たちの集う場所を提供する、文部科学省の「地域こども教室」の一環として松戸市教育委員会の「サタデー・コミュニティ・スクール」事業の下で開校しました。年度を通して、地元の小学校高学年の子供たちが通ってきます。今年度はサタデー・コミュニティ・スクール事業がなくなりましたが、「おかねの楽校」は2年目を迎えました。

年間のカリキュラムを見せて頂くと、まずは教室でお小遣いやお金について学び、仕事について学んだ頃に、夏休みを迎えます。夏休みがこの楽校のメインイベントでもあります。夏休みに入った頃、この地域の町内会が主催する盆踊りがあります。楽校の子供たちは、この盆踊りで屋台を経営するのです。そのための準備の授業では、3つのチームに分かれ、チームごとに屋台で売るものの計画を立て、盆踊りの2日間の利益を競います。もちろん仕入れも子供たちが行います。売れ残らないように、そして利益が一番になるような仕入計画を立て、実際に商店街のお店と仕入れ交渉をし、屋台での販売価格を決めます。

盆踊り当日は、昼間から下準備をし、いよいよ本番の時間になるとほかの同級生たちが楽しく夜遊びする中、屋台で「いらっしゃいませ~」と一生懸命働きます。チームごとに売上を競っているからということもありますが、自分たちで計画を立て、準備をして「ごっこ」ではないお店を経営することに、喜びを感じている様子でもありました。

もちろん、苦労する場面もあったようです。販売する商品には、焼きそば、コロッケ、枝豆、たこ焼きなど売れ残っても困るものがあります。盆踊りの終了時刻が近づいてもまだ在庫がたくさんあるチームでは、商品を持っての出張販売。すべて子供たちのアイディアです。普段はおねだり、無駄遣いをしている子供たちも、この時ばかりは働く大人たちの苦労を身にしみて感じたようでした。

さあ、この子供たち、屋台の次にすることは?さっそく次のページへ!
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