ヘッジファンドのほとんどが、私募ファンド

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本来はリスクヘッジが目的だった?!ヘッジファンド
私募ファンドの代表的な形がヘッジファンドといっても良いでしょう。では、ヘッジファンドとはどういうものでしょうか?

ヘッジファンドは、相場環境が上がろうが下がろうが、収益を上げるという投資姿勢が基本です。当たり前、と思うでしょうか。それ対して公募ファンドは、通常は、相対収益をもって評価の基準とします。あくまでも、ファンドの運用成績の評価は、ベンチマーク(TOPIXなどの指標)に対して、相対的に良かったか悪かったかであり、相場環境が下落基調であった場合は、ベンチマークより下落率が小さければ良い評価とされます。

本来のヘッジファンドは、さまざまな投資手法をとることによって、基本的には相場の方向に関係なく収益を上げる運用を意図したものです。そもそも、その名の通り、リスクヘッジのためのレバレッジを効かせた運用をし、収益の安定性を重視するものです。しかし、投機的なイメージと思われてしまうのは、1998年にヘッジファンド運用会社、ロング・ターム・キャピタル・マネジメント(LTCM)が破綻したり、ヘッジファンドの運用マネージャー、ジョージ・ソロスの騰落が激しい運用の話などのためでしょう。ところが、むしろ、LTCMやジョージソロスのクオンタム・ファンドのほうが例外的なものといっても良いほどなのです。

前述のように、ヘッジファンドのほとんどは私募ファンドですから、運用手法や運用対象に制約はありません。そのために、空売りを積極的に利用して売買益を稼ぎ出す投資を行っても法的に問題があるわけではありません。また、法規制のゆるい、いわゆるオフショア地域に本拠を置いているものがほとんどです。オーダーメイド的な商品設計で、最低投資額は日本円で1億円以上とも言われ、参加者は少数の富裕層と思われます。

運用の面では、ヘッジファンドは空売りを積極的に利用するので、相場全体が上がっても下がっても利益を上げる事ができ、実際に下げ相場を得意とするヘッジファンドは多いようです。その基本的な方法は、低額な証拠金率で巨額の取引が可能となるレバレッジを効かせたもので、これを活用すると、投資した資金に対しての運用利回りが現物取引の3~10倍程度となります。もちろん、利益だけではありません。

同じように、損失も3~10倍となり、ハイリスク・ハイリターンな取引といえます。これを機動的に駆使したり、さまざまな金融派生商品を使って自由な運用をしているのです。どんなに手堅い運用方法をとったとしても、レバレッジが大きければそのファンドのリスクは大きくなります。

ヘッジファンドのメリット:空売りが出来ない公募ファンドでは、下げ相場で買って保有している資産の価値が低下し、運用利回りがマイナスとなるのに対して、下がっても収益を上げる機会があるという点

ヘッジファンドのデメリット:ヘッジファンドはさまざまな運用手段や投資対象を使うためファンドを売りたい時にすぐに売れないこと、ディスクローズがないため運用の中身が良く分からないこと、最低購入額が高いことなど

投資の初心者向けのセミナーなどで、投資信託(ファンド)の話をすると、以前は「ヘッジファンドは怖いからやらない」という反応が返ってきたものでした。最近は、「そのファンドは、村上ファンドとはどう違うのですか?」という質問がきます。大きく違うものでしたね。

もしみなさんが、資産家で私募ファンドに託すとしても、平々凡々と公募ファンドに投資するとしても、それぞれの特徴をよく理解し、自分に合ったファンドを利用することが大切だろうと思います。

【関連サイト】

インサイダー取引とは?
誰が得した?ニッポン放送問題
「阪神ファンじゃなくても気になる!? 村上ファンドvs阪神電鉄(All About「オンライントレード」ガイドサイト)
man@bow「ヘッジファンドとは何ですか?」

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