1ページ目 【「三位一体改革」なにを一体的に改革するの】
2ページ目 【「国庫支出金」「地方交付税」ってなに?】
3ページ目 【改革がうまく行けば国の政治のありかたも変わる?】
【「三位一体改革」なにを一体的に改革するの】
●こちらも要チェック! 政治についての基本知識と基本用語
三位一体・・・なんの3つが一体なんだ?
三位一体。「さんみ」ですからね。「さんいいったい」とかいうと笑い者になるので要注意。三位一体とはもともとキリスト教の教義。神・キリスト・聖霊が本質的に一体であるという教えですね。あと、日本の律令制の位階で、正三位と従三位を三位と呼んだりもしてました。以上、トリビア的知識。
で、今、政治で騒がれている三位一体とは、こういうことです。
(1)国庫支出金を減らす。
(2)税源を地方に移譲する。
(3)地方交付税を見直す。
・・・・・これをいっぺんにやって、地方分権をすすめる。
なんだかよくわからない言葉が出てきましたね。ちょっと解説しましょう。
地方自治体の財政は国の援助でもっている
まず、地方自治体はどうやって資金を集めて、行政サービスを行っているのでしょう。それはまずは地方税です。住民税とか、マンションとかもってる人は固定資産税とか、企業は事業税とか、払ってますよね。当然、これが地方自治体の財源です。
しかし、はっきりいってこれではとても足りません。平均して、必要経費の4割弱しか集まらないのです(ま、自治体によって多少の差はあるのですが)。
そこで、国から主に2つの財源が、地方に与えられています。その1つが国庫支出金です。これは、国が地方自治体に資金の使い道を指定して与えるものです。地方自治体は、国に「うちはこんな事業が必要です、お金をください」といって資金をもらうわけですね。
もう1つは、地方交付税です。これは、地方公共団体の間の格差をなくすため、格差の解消のために与えられるものです。過疎の村など、人口が少ないため税収が少なく、たくさんもらっているところもあれば、東京都のようにもらっていないところもあります。
地方交付税は、国庫支出金とは違い、使い道が指定されていません。
地方交付税のしくみは、ちょっとむずかしいので、細かいところはあとで説明します。
その他、国が徴集した税金を自動的に地方自治体に譲る地方譲与税や、地方債(ようするに借金ですね)で地方財政はまかなわれているわけです。
このしくみの何が問題なのか、なぜ改革が必要なのか、次のページでみてみましょう。