1ページ目 【台湾はなぜ独自の政府をもつようになったのか】
2ページ目 【台湾人の独自意識が高まった1990年代以降】
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【「中台関係」仲介できるのはやっぱりアメリカか】
北朝鮮問題もあって中台関係をこじらせたくないアメリカ


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中国と台湾の関係を握るのは、ここでもやはりアメリカです。

アメリカは、中国と国交を結び、中国の主張する「一つの中国」、つまり台湾は中国(共産党政府の中華人民共和国)の領土であるという考えを「いちおう」支持して、台湾の独立を認めていません。しかし、アメリカ軍と台湾軍は今でも定期的に交流をもっており、台湾はアメリカから武器の供与なども受けています。

2002年には台湾の国防大臣がアメリカを訪問、政府要職者と会って会合を重ねました。このことは中国を大きく刺激し、中国はアメリカに抗議文を送ったほどでした。

かといって、中国はアメリカとは良好な関係でいたい。経済成長するためにはアメリカなど先進国からの投資など密接な経済関係が必要不可欠です。台湾がアメリカに過度に接近しない限りは、中国も「見てみぬふり、ときどき怒るふり」するしかないでしょう。

しかし、アメリカも困ったもんです。東アジアには、ただでさえ北朝鮮というやっかいものがいるのに、さらに中国と台湾の微妙な関係。アメリカは、北朝鮮の核の脅威があるうえ、中国が台湾に武力を行使することを阻止しなければならず、兵力をあっちにもこっちにも割かなければなりません。

そんなことで、アメリカもそろそろ、中国と台湾が、直接対話するようにもってくるようになるのではないでしょうか。実際問題、中国はアメリカの存在によって台湾を武力で制圧できない。台湾はもとよりです。お互い対話して、経済発展著しい東アジア南部をもりたてて行くべきなのでしょう。

そういえば2002年、中国の銭其シン外相(当時)は、独立指向の民進党員の訪問も歓迎する、といってきました。朱鎔基首相(当時)も、「一つの中国を支持する台湾各党派との交流を強化していく」と発言していました。

あれから指導部も一新し、より実務的、現実的になってきたといわれる中国指導部。アメリカなどの仲介があれば、中国と台湾の歴史的対話も、実現する要素がでてきてはいるはずです。日本も、何か役にたてるはずです。

ただ、陳水扁総統が、カリスマ性をあげるため、さらに台湾の独自色を高め、中国を刺激し過ぎれば、対話は遠ざかって行くのみです。陳水扁総統の独立への情熱も分かりますが、ここはどれだけ現実的に、実務的になれるか。銃弾で打たれたうえに、選挙は無効だといわれて大変ですが、これからの陳水扁政権の対中国政策に要チェックです。はたして柔軟路線で中国のメンツを立てつつ交渉をして行くのか、あくまで独立にまい進していくのか。

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