揮発油税が下がれば、ガソリン価格も下がる!
三十数年間「安全運行」を続けてきた暫定税率は、今国会で最大のピンチを迎えることに……。 写真提供:フリー画像素材EyesPic |
ちなみに、道路特定財源とは、道路整備のために創設された財源。主な使い道は道路建設ですが、これ以外に、連続立体交差事業(鉄道の高架化・地下化)などにも使われています。そして、その費用は、道路を使う自動車ユーザーが税金を通じて負担。具体的には、
■国税…… 揮発油税・自動車重量税など
■地方税…… 自動車取得税・地方道路税など
つまり、自動車ユーザーは、車を買う時に始まって保有する期間中、さまざまな税金を通じて、道路整備費用を負担しているというわけです。
「暫定」とは名ばかり! 高い税率は軒並み「恒久化」
では、暫定税率とはどんな税率? 上記で見た通り、揮発油税の本来の税率は、法律で1リットル当たり24.3円と定められています。しかし、国は1974年、「立ち遅れた道路整備を強力に進めなきゃ!」と、「暫定」(=期限を設ける)の名の下、税率をアップ! この暫定税率は、その後も段階的に引き上げられ、現在では1リットル当たり48.6円=当初の2倍になっています。また、他の道路特定財源を見ても、自動車重量税が本来の2.5倍、自動車取得税は同1.7倍と、暫定税率のオンパレード! つまりは、期限を区切った暫定税率の延長を、三十数年間延々と繰り返してきたことで、高い税率がいつのまにか「恒久化」したというわけです。道路特定財源全体の税収が、5.8兆円(2006年度)と巨額に上るのも納得……。
そして、1ページで見たように、政府与党が、暫定税率の10年延長を決定したことで、民主党が猛反発! では今後、暫定税率を巡る国会の攻防戦はどうなる? → 次のページへ