社会ニュース/よくわかる時事問題

石油・原油価格はなぜ、高騰が続くのか?(2ページ目)

留まるところを知らない原油価格の上昇。これに連動して、国内のガソリン価格もついに過去最高値を更新! なぜ石油価格が高騰するのか、その理由に迫ってみると…

執筆者:志田 玲子

要因1:世界的な原油需要の増大で、供給懸念が拡大!

画像の代替テキスト
原油高の要因の1つとなるのが地政学リスク。トルコvs.クルド人武装勢力のバトルが、価格上昇に拍車をかける!
原油価格を押し上げている要因は、大きく分けて3つあります。その1つ目は、世界的な原油需要の増大と、これに伴う供給懸念の拡大。まず、アメリカやアジアを中心とした世界的な景気拡大に伴い、必要とされる原油需要が増えたという背景があります。アメリカでは、ガソリンなどの石油製品の需要が増え、一方のアジアも、中国・インドなどが目覚しい経済成長を続ける中で、エネルギー効率が悪いことも手伝い、需要は拡大路線を驀進!

このような状況にあって、原油を生産する側の産油国では、需要拡大に見合う投資が進まず、余剰生産能力が低下。「膨らむ需要を賄えるだけの原油が、果たして提供できる?」と、供給に対する不安が広がったというわけです。

要因2:地政学リスク!

2つ目の要因は地政学リスク。地政学リスクとは、ある地域で戦争・地域紛争が起こるなど不安定な政情が、経済面に与えるリスクを指します。世界の原油確認埋蔵量の67%が集中する中東地域は、「世界の火薬庫」と呼ばれるほど多くの戦争を繰り返してきた地域。1ページで見たように、第1次オイルショック(1973年)の場合は第4次中東戦争、第2次オイルショック(79年)は、イラン革命が発端でした。ちなみに、現在地政学リスクが指摘されているのは、サウジアラビア・イラン・イラク・ナイジェリアなど。

そう言えば、10月下旬、イラク北部のクルド人武装組織が、国境を接するトルコ南東部の同国軍を軍事攻撃! 両者間の緊張が高まるにつれ、原油価格も高騰し、1ページで見た先物相場が100ドルを超えるのも、時間の問題?

では、最後の1つ=価格高騰の最大の要因とは、いったい何? → 次のページへ
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます