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「金利上昇」は、損になる?得になる?(3ページ目)

ボーナス・シーズンを迎え、金利動向が気になる季節。世界的に長期金利が上昇する中、日銀の追加利上げに注目が集まっています。預金や住宅ローンに大きく影響する金利上昇は、私たちにとり損になる?得になる?

執筆者:志田 玲子

金利上昇は、家計にとり「得」が大きい!

画像の代替テキスト
住宅ローンの契約は、「長プラ」「短プラ」の動きを要チェック!
1ページで見たように、金利上昇は、預金金利の引き上げを通じて私たちの懐にプラスに働く一方、住宅ローン金利などの引き上げにより負担増となるマイナスの側面もあります。では、プラス・マイナスの損得勘定は、一体どうなる?

財務省発行の「ファイナンス」(2006年11月号)によると、家計全体の預貯金資産の総額は約720兆円。一方、借り入れによる負債(借金)は約320兆円で、資産総額は、負債総額の2倍以上に上っています。そのため、預金金利の引き上げを通じた銀行利息の増加=プラス効果は、住宅ローン金利などの引き上げによる金利負担増=マイナス効果より大きくなります。つまり、資産が負債を大きく上回る分、金利上昇は家計にとり「得」の方が大きいということ!

逆に、企業(民間非金融法人企業)の場合は、資産約170兆円に対し負債(社債などによる資金調達を除く)は約310兆円と、資産が負債の2分の1強に留まり、「損」の方が大きいのは明らか! だから、2ページで見たように、8割以上の中小企業が「業績に悪影響が出る!」と、懸念を示したのですね。

銀行利息は「すずめの涙」のまま! 一方、住宅ローンは……

さて、銀行預金の金利引き上げは、私たち預金者にとり朗報ですが、今回のアップ率はほんの「すずめの涙」! 利用者が多い300万円未満定期の金利は、引き上げ後も0.25~0.8%に留まっており(大手銀行)、1%の「大台」には届かずじまい……。

一方、住宅ローンのうち、長期金利の影響を受ける「固定金利型」の7月適用分は、5年以上の中期から20~30年の超長期を中心に引き上げられる見通しで、6月末に正式に決まる予定。既に借りている人は影響を受けませんが、新規契約の金利は高くなりそう……。また、半年毎に金利が見直される「変動金利型」は、短期プライムレート(銀行が優良企業向けに短期に貸し出す際の最優遇金利)など期間1年未満の短期金利の影響を受けるので、こちらを要チェック!


【関連サイト】
●All About「よくわかる時事問題」のサイト
「グレーゾーン金利」って、どんな金利?
東京23区「地価上昇」ランキング2007
福井ショック!日銀総裁の座は「蜜の味」?
今さら聞けない時事用語集(経済・金融用語など)
経済・給料・物価・景気・金融のニュース
世のハッピー・うきうきニュース


●その他のサイト
Yahoo! ファイナンス - 金利情報
@住宅ローン
財務省「ファイナンス」2006年11月号(通巻492号)、金利と経済 ―金融政策入門―〈下〉(記事3ページ目の参考資料)


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