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インドネシアとバリ島の関係

爆弾テロ事件であらためて世界的な大観光スポットであることがわかったインドネシア・バリ島。バリ島がなぜそんな島になったのか、インドネシアとバリ島の関係を簡単に説明します。

執筆者:辻 雅之


(2002.10.16)

1ページ目 【もともと「インドネシア」という国はなかった】
2ページ目 【オランダの侵略が生み出した「インドネシア・ナショナリズム」】
3ページ目 【「流血の島」から観光の島へ】

【もともと「インドネシア」という国はなかった】
むしろマレー半島とのつながりが深かった初期の「インドネシア」


バリ島を理解する前に、大切なことがあります。それは、バリ島があるインドネシアって、何? という基本的なことです。

そもそも、「インドネシア」という国は100年くらい前までは「ありません」でした。個別にいろんな国に分かれていたのです。このへん、みなさんの頭を「コペルニクス的転回」しておいてくださいね。

7世紀ごろ、スマトラ島を中心におこったシュリーヴィジャヤという王国の名前が、世界史にインドネシア地域がでてくる最初の言葉です。この王国は、日本と同じ大乗仏教を信仰し、やがてジャワ島に拠点を持つシャイレーンドラ朝に支配権が移ると、いまのマレーシアとタイの国境付近にまで勢力を伸ばすようになります。

▼8世紀後半頃のインドネシア


やがて、シュリーヴィジャヤはおとろえ、13世紀に建国されたマジャパヒト王国がこれにとって代わります。この王国はインドのヒンドゥ-教を信仰し、これによってバリ島にもヒンドゥ-教が入ってきたようです。

しかし、この王国も今のインドネシア地域全体を統一するには至っていません。それよりも、通商の拠点であるマレー半島や今のフィリピンなどをめざしていたようです。

▼15世紀前半のインドネシア
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