社会ニュース/よくわかる時事問題

「消費期限」と「賞味期限」はどう違う?(2ページ目)

不二家が、なんと「消費期限」切れの原料を使った菓子を出荷していた! スーパー・コンビニは次々と、同社商品の撤去に走りました。ところで、食品に付いている「消費期限」と「賞味期限」は、どこがどう違うの?

執筆者:志田 玲子

「消費期限」は「安全に食べられる期限」、「賞味期限」は「おいしく食べられる期限」

景気
※ 各期限とも、未開封のまま定められた方法で保存した場合。

食品には大抵、「○○期限、○年○月○日」という表示が付いていますね。この期限表示には、上の表の通り「消費期限」(黄色)と「賞味期限」(緑色)の2種類があります。「消費期限」とは、腐敗などを心配することなく「安全に食べられる期限」。対象は、製造日を含めだいたい5日以内で品質が落ちてしまう食品。だから、期限内に食べ切ることが必要とされます。表示方法は「年月日」が基本ですが、「弁当、惣菜は時間まで表示することが望ましい」。たしかに、コンビニの弁当や惣菜は、時間まで表示されている場合が多い……。

一方、「賞味期限」は、その食品がもつ全ての品質が保たれる期限を意味します(品質保持期限)。品質が比較的落ちにくい食品が対象なので、表示方法も「消費期限」より緩やか。3ヶ月を超えるものは「年月」、それ以外は「年月日」です。だから、「賞味期限」はあくまで「おいしく食べられる期限」の目安。「消費期限」のように期限を厳守する必要はなさそうです。ちなみに、品質劣化の心配がほとんどない砂糖・食塩などは、表示が省略される場合もあります。また、1ページで問題になった牛乳の場合は、「低温殺菌牛乳」については日持ちが悪いため、そのほとんどに「消費期限」が表示されています。

ガイドは実際に、自宅にある食品をチェックしてみました。
■消費期限…… パン、肉まん、肉、魚
■賞味期限…… うどん、せんべい、しょうゆ、酢、のり、オレンジジュース、ジャム
■表示なし…… 砂糖、塩、米(精米年月日のみ)

たしかに、「消費期限」付きの食品は「賞味期限」付きの食品と違い、長期保存がきかないものばかり。そして、砂糖・塩にはやはり、表示がありませんでした。

期限表示に頼り過ぎると、「五感」が退化する?

食品の期限表示は、「いつまで食べられる?」をチェックできる便利なもの。ただ一方で、人間の「五感(見る・聴く・味わう・嗅ぐ・触る)」を退化させる原因になっているような気がします。表示に頼り過ぎるあまり、匂いを嗅いだり舌でなめたりと「五感」を使って確認する機会が、減ってはいませんか? ガイドの場合、加熱して食べる食品については、期限が1~2日過ぎていても、「五感」で確認して問題なさそうなら調理に使ってしまいます(もちろん、他の人が同じことをしても安全という保証はありません)。

期限表示も必要でしょうが、「自分の『五感』に聞いてみる」ことも大切。人間が本来もっている機能は、使わなければ退化する一方です。懇切丁寧な表示が要求される時代には、「五感」を退化させない努力も必要と言えるでしょう。

【記事の関連サイト】
●All About「よくわかる時事問題」のサイト
輸入再開!で、アノ牛丼屋はどう変わる?
あの牛丼がまた食べられる?

●その他のサイト
広島市役所、消費期限と賞味期限
日本乳業協会、牛乳の知識


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