核実験の背景は?
北朝鮮の核実験のため、極東地域で緊張が高まっている。 |
日本も9月に北朝鮮に対して経済制裁を発動し、日本国内の銀行にある北朝鮮関連の口座の一部を実質凍結させました。また韓国も、盧武鉉(ノムヒョン)政権の太陽政策と言われる北朝鮮に対する融和政策を、ミサイル発射後にかなり方向転換しました。これらの制裁と、そして結局失敗に終わった7月のテポドン2号発射実験などにより、北朝鮮はかなり苦しい状況に追い込まれていると思われます。
またこちらでは、防衛庁防衛研究所主任研究官の武貞秀士氏が、「なぜ今なのか?」について語っています。
実験の内容は?日本への影響は?
今回「核実験」という言葉だけが大々的に取り上げられていますが、その実態が何なのかがあまり報道されていないように思われます。今回北朝鮮が行おうとしている核実験とは、単に核爆発を起こして成功させるための実験であり、それを兵器として実用化するためには、さらに年月をかける必要があると思われます。たとえ今回の核実験が成功したとしても、すぐに日本への脅威になる可能性も低いでしょう。というのも、核兵器を遠くに飛ばすためには、核弾頭をミサイルに搭載する必要があるからです。そして、ミサイルに搭載するためには、核弾頭を小型化する必要があります。それにはかなり進んだ技術がないといけません。今回の実験段階では、まだそれだけ進んだものではないだろうという見通しが大半です。
兵器として実用化するにはまだにも関わらず核実験をすると宣言しているのは、単にアメリカや周辺国に対する威嚇、脅しの意味が含まれていると思われます。考えてみて下さい。本気で核兵器を開発するつもりだったら、わざわざ「実験をするぞ!」と宣伝するでしょうか?誰にも言わずに、密かに実験を行うでしょう。
→そして実験は北朝鮮のどこで行われるのか?