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将来住むならここ!世界の所得税比べ(2)(2ページ目)

世界の所得税比べ第2弾は、ヨーロッパ諸国の税金比べです。中には個人への税金が全くない国もあるとか…?

執筆者:鳥羽 賢

タックスヘイブン(租税回避地)のモナコとリヒテンシュタイン

ヨーロッパの主要国所得税率一覧(2)
ヨーロッパの所得税率表
国によってはこの他に地方税が課税される


次にヨーロッパの残り半分です。ここで注目すべきは、所得税が0%のモナコとリヒテンシュタインでしょう。この2国はどちらもタックスヘイブン(租税回避地)と呼ばれている国です。タックスヘイブンとは、税金が0かまたは極めて低い国や地域のことを指す言葉です。

これらの2国は、なぜタックスヘイブンになることを選んだのでしょうか?これらの2国、そして他のタックスヘイブン地域に共通する点は、どこも国土が狭い小さい国・地域だということです。小さい国なので、自力で産業を育成することが難しくなっています。そこで税金をほぼ0にして、外国企業や海外の富裕層を誘致することが狙いなのです。

モナコやリヒテンシュタインは、所得税だけではなく相続税や贈与税もありません。リッチな層にとっては、資産を増やしてキープする絶好の条件であると言えます。だからこそ住みたがる人は多く、モナコはかなりの資産がないと住むことができないと言われています。

税金を払わせるために税率を低くしたロシア

ロシアの所得税率は13%であり、これは所得金額にか関わらず一定です。累進課税ではないので、かなり高所得層を優遇している税制でしょう。この税率は2001年から導入されたものであり、それ以前は12~30%の累進税率でした。ではなぜ、ロシアはこのような税率を導入したのでしょうか?

この背景には、ロシアの共産主義の歴史が関係しています。ロシアは昔はソ連という共産主義国家であり、税金を納める必要がなかったのです。それが突然自由経済になり、納税義務が生じました。しかし、多くの企業や個人はそれを払わず、当局に賄賂を支払って逃れたりしていました。

そこでプーチン大統領が、税金を払わせるには税率を下げるしかないと考え、減税・税率の一本化を決定したのです。この結果、ロシア国内の納税率はかなり上がったと言われています。

最低税率が高いノルウェーとベルギー

上の表ではノルウェーも、かなり税率が低いように見えます。しかしこれは国税だけであり、ほとんどの納税者には一律28%の地方税が課されます。つまり実質的な税率は、28~47.5%とかなり高いと言えるでしょう。またベルギーも、最低税率が25%とかなり高めです。

EU、特にユーロ圏は、ECBという共通の中央銀行を持っているので、金利などは全て共通です。しかし税制は各国によって違います。将来ヨーロッパに住みたいと思っている方は、どの国が良いか税制面でもよく検討するのがいいでしょう。

注意:情報の正確性には万全を期しておりますが、税制は常に変更されるものであり、記事完成後に変更されている可能性もあります。また配偶者の有無などによっても変わります。実際に住んで課税される予定のある方は、改めて最新の情報を調べることをお薦めします。

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