一連のライブドア事件で、元社長堀江貴文氏こと、ホリエモンの資産が隠されているとも報道される「スイス銀行」。映画やアニメの中だけじゃない、実在するスイス銀行とはいったいどんな銀行なのでしょうか?

スイスにある銀行は全部スイス銀行!?

永世中立国であるスイスは有事の資金避難先と考えられている。
ルパン三世やゴルゴ13などのアニメでは「報酬はスイス銀行に…」なんてセリフもおなじみですよね。大泥棒や凄腕スナイパー御用達の銀行が実在するなんて、なんとも興味をそそられるお話ですが、残念ながら「スイス銀行」という名前の銀行は現存しません。

いわゆる「スイス銀行」とは、ある銀行の名前ではなく、広くスイス国内に本店のある銀行のことを指しています。スイスの銀行には、スイス連邦銀行法に定められた守秘義務があり、顧客情報を洩らした場合には厳重な刑事罰が課せられることになります。中でも個人経営の銀行(プライベートバンク)から発した、投資、運用、相続など、総合的かつ高品質な金融サービス(プライベートバンキングサービス)と、明らかな犯罪の証拠がない限り、国家権力にも顧客情報を明かさないほど徹底した秘匿性は、スイスの銀行の大きな特徴となっています。

その歴史は、フランス革命の際に王侯貴族がフランスとスイスの国境に近いジュネーブに資産を避難させたことに始まります。第2次世界大戦時には、ナチスの目を逃れるためにドイツから資金が流れ込むなど、戦乱の絶えない時代から現在まで、スイスの銀行には「資産を守る場所」としての絶対的な信頼が寄せられています。

マネーロンダリングに利用される危険も!

一方で、秘匿性が高く、警察など司法の手が及びにくいスイスの銀行は、麻薬やテロ、違法取引などあらゆる不正な資金の洗浄(マネーロンダリング)に利用されやすいという側面も持ち合わせています。今回のライブドアの資産の一部が隠されているとの報道も、そんな事情を反映しているようです。

ただ近年では、世界的にマネーロンダリングの防止策が強化される中で、スイスの銀行も以前ほどの秘匿性を保てなくなりつつあります。

スイス発プライベートバンキングが日本でも人気!

ヨーロッパの王侯貴族に利用されていたプライベートバンキングが日本に上陸!我が家の執事的存在になるはずです。
絶対的なステータスを誇るスイスの銀行サービス、特にプライベートバンキングサービスは、投資、運用、相続など総合的な金融サービスのほか、美術品の収集から医師の紹介、宇宙旅行まであらゆる希望に応えてくれます。

そんな、資産?億円以上の資産家だけが受けることのできる極上のサービスが、日本でも注目されはじめています。2005年には、プライベートバンキングサービスを体験するためのスイスツアーが人気を博し、日本国内でも大和証券やみずほ銀行、住友信託銀行などが、続々とプライベートバンキングサービスを開始し、順調に取り扱い数を伸ばしています。

日本でプライベートバンキングサービスを受けるためには、1億円程度の口座残高が必要な銀行が多いようです。ここ数年内に退職金を受け取り、資産家の仲間入りを果たす人が急増するという試算もあり、今後ますます注目されるサービスになりそうです。

あのカリスマファンドマネージャーもスイス仕込み!

ところで、日本で最も有名なファンドマネージャーの1人と言える澤上篤人氏(長期投資で実績のある「さわかみファンド」のファンドマネージャー) は、20代でスイスへ渡り、経済と投資に関する知識と経験を蓄えています。その後、スイスの由緒ある銀行で経験を重ねた、いわば「スイス仕込み」の金融マンです。

常に「長期投資が大切」と語る同氏は、「長期間運用するためには、お金を預かる側と預ける側の信頼関係が欠かせない」という姿勢の持主でもあります。そのバックボーンには、確かに数百年も資産を守り続けるスイスの銀行風土が感じられます。

とかく企業への不信感がつのる事件が多い昨今、信頼と安心が優先される金融機関と末永いお付き合いができれば理想的ですね。
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