【CONTENTS】
これまでの背景(1P目)
三つ巴の構図へ、さらに複雑化か?(2P目)
パレスチナの分裂は中国と台湾のようなものか?(2P目)
今後はアメリカやイスラエルの行動が鍵(3P目)
これまでの背景
白い部分がイスラエル。緑の右の部分はヨルダン川西岸、左の部分がガザだ。 |
一方で、その不法占領によって自分達の土地を追われて難民となったアラブ人が、約400万人いると言われています。それがパレスチナ難民です。この難民の帰還問題は、和平交渉では常に話題になっています。
1996年には、ヨルダン川西岸とガザを領土とする、パレスチナ自治区が設立されました。そこを統治するのが、パレスチナ自治政府です。パレスチナ内部にもいろいろ勢力があるのですが、大きな勢力が2つあります。過激派のハマスと、穏健派のファタハです。
ファタハは穏健派で、イスラエルとも交渉で物事を解決しようとする姿勢を貫いています。それに対してハマスは、交渉よりも武力でイスラエルと戦おうという姿勢の強い過激派です。この両派は以前から対立していて、パレスチナ問題をさらに複雑にしています。そして2005年末のパレスチナ総選挙では、ハマスが勝利しました。ここに、ハマスを中心としたパレスチナ内閣が出来上がります。
イスラエル、アメリカ、そして他の多くの国は、選挙で勝ってもハマスを承認しませんでした。パレスチナ地区の税金はイスラエルが代行で徴収しているのですが、イスラエルは徴収した税金をハマスに渡そうとしません。だんだんと財政的に追い詰められてきたハマスですが、今回武力でガザ地区を制圧してしまったということになります。
なお、パレスチナ問題のこれまでの経緯は、こちらに詳しくまとめられています。
→次ページで、これからの展望を探ります。