暮らしていくうちに、さまざまな理由から住まいを売却しなければならないこともあります。このようなとき、同じような条件の家でも、高く売れる家と、安くなってしまう家があるようです。それはなぜなのでしょう?
どんな家が高く売れるのか、安くなってしまう家はどんな家なのか。中古住宅の評価に影響する要因を探ってみましょう。
◆規模や立地条件以外に中古住宅の価格を左右する要件は?
中古住宅の価格を左右する要素は、立地条件や建物の規模、構造などいくつかの項目がありますが、同程度の築年数、広さだとすると、一般的にメンテナンスの有無によって、価格が大きく変わるのだそうです。
ポイントは外観。室内は水まわりも含め、掃除が行き届いていれば、好みのものに変えたいと考える人も多く、やはり、最初に目にする外まわりが印象を左右するということです。
条件 | 売却価格が安い家 | 売却価格が高い家 | 環境や交通の便など立地条件 | 環境悪い・通勤通学に不便 | 環境よい・通勤通学に便利 | 敷地面積・延床面積 | 狭い | 広い | 築年数 | 古い | 新しい | メンテナンス | していない | 定期的に実施 |
それでは、中古住宅を査定するときの査定ポイントを見てみましょう。外観の査定ポイントは、素材にもよりますが、次の通りです。
■外壁の査定ポイント
・汚れ具合は?
・亀裂はない?
・サイディングの目地部分は切れていない? すき間はない?
・窓との境目に亀裂はない?
■屋根材と雨どいの査定ポイント
・屋根材のズレや割れは?
・雨どいの外れやゆがみ、詰まりなどは?
・雨どいの金物の外れやサビなどは?
以上をチェックし、状態がよいかわるいかで、中古住宅の価格は変わってきます。築年数の浅い物件の場合はあまり差が出てきませんが、築10年以上を超えた物件だと、よい状態を保つためには、メンテナンスをしてきたかどうかが、状態を善し悪しを左右します。
◆外壁の再塗装の目安は7~10年。放置していると・・・
外壁は通常7~10年を目安に再塗装が必要だといわれていますが、これは塗装の種類によっても違ってきます。しかし、一般論として、建築後20年、30年と放置していた場合、亀裂や欠けなど補修をしなければならない箇所が増えたり、亀裂が深くなって補修に手間がかかることが多くなります。また、亀裂があるのにそのままにしておくと、そこから雨水が入り込んで構造体を傷めることもあります。柱や土台など構造が腐るなど、大ごとになってしまっては大変です。早めに見直しておいたほうがいいという理由はそこにあるのです。
■長持ちする塗料と長持ちしない塗料
・アクリル塗料やアクリルウレタン塗料→約5~10年
・アクリルシリコンやセラミックシリコン塗料→約15年
これまでよく用いられたきた塗料の耐久性は5~10年ほどでしたが、最近増えてきた、アクリルシリコンやセラミックシリコン塗料の耐久性は15年ほど。これらの塗料は単価は高いのですが、長持ちするので、次回の塗装のタイミングを遅らせることができます。
では、次ページでは、外壁の再塗装の費用についてみていきましょう。