「可変性」とは、建築後に壁を取り払ったり、増築したり、水まわりを増設・移設するなど、間取りを変更することです。そして、「可変性」が高いことは長く暮らせる家として、大切な条件のひとつなのです。

何も建築後に変更しなくても、新築時によく考えてプランニングしておけばいいんじゃない?と思いますよね。後で住宅の間取りを変えられるかどうかは一見大したことのない要素のような気がしますが、10年、20年経つと、きっと間取りを変える必要が…。そのときに容易に間取りを変えられるといろいろな可能性が広がるのです。今回は、この「可変性」について考えていきましょう。

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◆間取りを変えるって、たとえばどんな場合があるの?◆

将来、間取りを変更するといった場合、よく思い浮かべるのは子供室の間仕切りではないでしょうか。子供が小さいときにはひと部屋にしておき、成長したらふたつの個室に分けられるようにしておくというものです。

もちろん、これも可変性のひとつですが、もう少し大掛かりなことができると、いろいろなライフスタイルやライフステージの変化に対応できるのです。たとえば、どんなケースが考えられるのか、いくつか例をあげてみましょう。

ケース1 二世帯住宅にする
結婚して別に暮らしていた息子夫婦がわが家に戻ってくることになった。生活のリズムが違うので、2階にもキッチンを増設し、両方の世帯の独立性を確保した二世帯住宅にしたい。

ケース2 賃貸併用住宅にする
子供たちが独立していったので、夫婦だけで暮らすには部屋があまっている。間取りをうまく変えて、空いている部屋を賃貸スペースにしたい。

ケース3 建築当初は細かく決めたくない
将来、家族構成がどうなるかまだはっきりとしていない。子供が生まれるかもしれないし、両親と暮らす可能性もある。だから、暮らしながらその時の状況に応じて手を加えていきたい。

どうですか? よく考えて新築したつもりでも暮らしていくうちに生活と住まいが合わなくなってくることがありそうだと思いませんか?

◆可変性があるとどうしていいの?◆

では、なぜ、可変性があるといいのでしょうか。それは、長く暮らしていくうちに、ライフスタイルや家族構成は、必ず、変化するからです。そして、可変性のある家ならそういった変化に対応できるので建て替える必要もなく、不便を感じたまま、我慢して暮らさなくてもいいのです。

また、もし、売却するようなことになっても、可変性のある家なら、次のオーナーが希望通りに手を入れやすいので、高い金額で売却できる可能性が出てきます。

しかし、可変性の高い家と、低い家があります。
では、可変性の高い家とはどんな家なのか、間取り変更しにくい家はどんな家なのか、次ページで説明していきましょう。