その定期点検(健康診断)とは、どんなものなのか、築10年以上のお宅を3軒訪問して伺ってみました。今回はそこで伺ったお話をもとに、定期点検の様子や、築年数が経過したお宅の状況についてみていきましょう。
◆定期点検は1枚のハガキから…◆
まず、定期点検は、いつどのように始まるのでしょうか。
今回、取材に伺ったのは、下記の3軒。
・東京都・世田谷区 Kさん →築11年
・東京都・豊島区 Kさん →築19年
・東京都・世田谷区 Fさん →築23年
(Kさんが2軒あるので、ご注意ください)
取材に伺った上の3軒のへーベルハウスのお施主さんによると、自分が忘れていても、点検の時期が近くなると、ハガキで連絡がくるとのこと。そして、住宅メーカーと連絡を取り合い、実際に点検を行う日時が決められます。
定期点検当日は、1~2人の点検担当者が、2~3時間程度かけて、家の外まわり、室内を点検するそうです。
この点検が実施されるまでの流れは、だいたいどの家でもほぼ同じようですが、具体的には住宅メーカーによって、点検時期や点検回数が違うので、どの住宅メーカーに施工してもらったかによって、実際に点検が行われるタイミングはさまざまです。ただ、前提となるのは点検の仕組みをもっている住宅メーカーに施工してもらった場合。当然ですが、点検システムが確立されていない住宅メーカーの施工であれば、長期間にわたっての定期点検は期待できません。
また、住宅メーカーによっては、定期点検やメンテナンスを同じ会社の専門部署が担当するところと、組織上は別会社にしているところがあります。
ちなみに、へーベルハウスの場合は、建築後、3カ月、1年、2年、5年、10年、15年、20年、25年、30年の9回が無料で、40年、50年(有料)も実施してくれます。
◆築年数によって、重点的に見るポイントが変わる◆
定期点検は築年数によって、重点的に見るポイントが変わってきます。そのため、住宅メーカーは独自のチェックシートを持参して、点検項目にもれがないようにしているところが多いようです。
築年数ごとの主な点検項目を抜粋してみると、
●1年未満など築浅の点検では
・サッシのクレセント錠
・室内建具の開閉状態
●築1~10年までの点検では
・基礎や外壁などの外まわり
・玄関ドアや室内建具、サッシなどよく使う部分
・水まわりの排水の具合
●築10年以上を経過すると
・基礎や外壁、屋根
・ベランダの防水など、建物の寿命に関わってくるところ
取材に伺った築11年の東京都・世田谷区 Kさんのお宅でも、子供室のドアの蝶番がゆるんでいたのを締め直しもらったことがあるそうです。こういった比較的簡単な調整方法は、点検時に教えてもらって自分でできるようにしておきたいものですね。
点検が終了したら、その結果が報告されます。点検結果によっては、必要な対処法についての提案がなされるそうです。これについて次ページで触れていきましょう。