今週(こんしゅう)ついに アメリカがイラクに対して攻撃(こうげき)を開始(かいし)しました。
世界中(せかいじゅう)の人々が「NO WAR」(戦争<せんそう>はいらない!)と声(こえ)をあげているのに どうして戦争はおきてしまったのでしょうか?
今から13年前の1990年 イラクは隣の国クウェートに攻めこみました。
これに対して世界の国々は 「多国籍軍(たこくせきぐん)」をつくってイラクを攻撃し 「湾岸戦争(わんがんせんそう)」がおきたのです。
このとき国際連合(こくさいれんごう・世界中<せかいじゅう>の国々があつまり 世界の平和と安全を守るための機関<きかん>)はイラクに対し核兵器(かくへいき・げんしばくだんのこと)や生物兵器(せいぶつへいき・爆弾などに病原菌<びょうげんきん>を搭載<とうさい>し死にいたる病気の菌をばらまくための兵器)などの「大量破壊兵器<たいりょうはかいへいき>」を捨てることを求め イラクもそれをやくそくしました。
その後国連は イラクがほんとうに約束(やくそく)を守っているのか調査(ちょうさ)を続けていましたが 1998年 イラクの妨害(ぼうがい)で とうとう国連の調査ができなくなってしまったのです。だからイラクがどんなに「ぜんぶ捨てました」といっても だれもそれを証明(しょうめい)できなくなってしまいました。
そこでアメリカやイギリスは 「国連との約束を守らないなら イラクを攻撃する」と主張(しゅちょう)、しかしフランスやドイツなどは「攻撃するのは もっと調べてからでもおそくない」と イラク攻撃に対して反対(はんたい)をしてきました。
しかしアメリカは 約束した期限になってもイラクは約束を実行(じっこう)しようとしないとして 3月20日 ついにイラクに攻撃を開始(かいし)したのです。
そして日本は 「約束を守らないイラクは攻撃する」というアメリカやイギリスの意見(いけん)に賛成(さんせい)しています。
しかし日本は法律(ほうりつ)で「絶対(ぜったい)に戦争はしません」と決められているので 直接(ちょくせつ)戦争に参加(さんか)することはありません。
※保護者のかたへ
世界中で「No War」の声が高まる中、ついにアメリカがイラクに攻撃を開始しました。
実際のところ、この戦争の原因がどこにあるのかは、この戦争に大義名分が存在するのかといった点を含め、識者の間でも明確ではない部分も多く、子どもに「どうして戦争が起こったの?」と聞かれて、答えに窮することもあるかもしれません。
記事では、戦争に至る経緯を、子どもむけに簡潔にまとめてみましたが、このほかにも石油利権の話、アメリカ大統領選中間選挙への布石に絡む話、そして日本においては日米同盟や北朝鮮の脅威など、この戦争の背景には、さまざまな問題が潜んでいます。
ただ、子どもたちにどうしても伝えなければいけないことは「戦争で犠牲になるのは、自分たちと同じ子どもたちであり、パパもママもきょうだいも、愛するものをみんな失ってしまうもの、それが戦争なんだ」という点です。
戦争の映像を見て、高齢の戦争体験者たちは「空襲のときを思いだしてしまう」と言います。
ニュースをみながら、戦争体験の伝承や、人権、そして平和について、親子で話し合ってみませんか。
◆Yahoo 対イラク武力行使