耐震・耐久性能をアップさせるリフォーム
以前の記事耐震性の高い家を考える(2) 8割の家が地震で倒壊の危険?!でも触れましたが、古い住宅は1981年の新耐震基準を満たしていないものが多いので、耐震性に不安がある可能性が大きいのです。耐震性が高まり、ねじれなどに対抗する力が高まれば、建物が変形しにくくなり、耐久性も高くなります。
耐震性に不安がある住宅とは、例えば、基礎に鉄筋が入っていない、耐力壁が不足している、耐力壁の配置のバランスが悪い、構造材の接合に金物が使われていない、などが考えられます。逆にいうと、これらをひとつひとつ解決していけば、耐震性がかなり高まるわけです。耐力壁とは、筋交いが入っていたり、合板などの面材を張ることで強度を高めた壁で、建物を支える役目をします。
耐震性を高めるため、基礎の中の鉄筋を入れますが、その入れ方や基礎の形状については、建築基準法でも細かく規定があります |
具体的には、無筋の基礎の場合は鉄筋入りの基礎を外側につくり、無筋の基礎と合体させて補強します。耐力壁が不足している場合は、壁のクロスなどをはがして、筋交いを入れたり、面材を張ったりして補強。特に、ふたつの部屋をひと部屋につなげるために間仕切り壁を取り外すときには、耐力壁が不足していないか、配置に偏りがないか、注意しながらリフォームすることになりますし、場合によっては、梁や柱を追加することもあります。耐力壁のバランスは、建物の形やプランによって違いますが、一般的には四隅か、それに近い場所には少なくとも耐力壁が入るといえるでしょう。
また、柱と筋交い、柱と土台などの接合部分には、それぞれに適した専用の金物がありますので、これらの金物を使用します。
これから建てるなら将来を考えて
こうやってみてくると、古い家をリフォームで長く暮らせる家にするには、内装材をはがさないと工事ができないことが多く、新築同様の労力や注意が必要だということがわかっていただけたでしょうか。でも、両親が建てた愛着のある家だったり、子供時代を過ごした思い出の家なら、たくさんのリフォーム費用をかけても、その家に暮らすというのは特別なことかもしれません。けれども、これから家を建てるのであれば、やはり遠い将来を見越して、長期間暮らせる家を建てておくことに越したことはありませんね。
そのほか、ここに挙げた以外の項目でも、大切なことがあります。例えば、毎日の生活に欠かせない給水・給湯管の耐久性。できれば、30年程度の耐久性があり、交換しやすい仕組みになっていれば理想的です。これについては、以前の記事給水管が劣化して水漏れなんてこともある! お宅の配管、交換できますか?で触れていますので、そちらをご覧ください。そのほか、排水管や電気配線なども、後々、交換が必要になってくることもありますので、平面図をはじめとする家に関する書類はきちんと保管しておきたいものです。