骨・筋肉・関節の病気は、生活のQOLを落とし、ストレスから心の病気になることも……
骨・筋肉・関節の病気は、単に骨格の問題というだけではなく、生活の質を落として、精神的にも影響を及ぼす可能性があるのです。骨格を構成する3要素、骨、筋肉、関節について、わかりやすく解説します。
骨のしくみと働き
足が捻挫したら、すぐに冷やして、安静にすることが重要
骨の働きは、大きく2つ。1つは、みなさんご存知の骨格を形成し、体重を支える働き。そしてもう1つの重要な役割は、カルシウムの貯蔵庫としての機能です。骨は、血管の中のカルシウムとリンを吸収したり放出することで、体中のカルシウム濃度を一定に保つ働きがあります。成長が止まり成人した後も、 骨は絶えず吸収と形成を繰り返し、骨組織を作り替えながら、血の中のカルシウム量を調節しているのです。このカルシウム代謝は副甲状腺ホルモンやビタミンD、 腎臓などの影響を受けています。骨粗鬆症や人工透析による骨のもろさは、骨のカルシウム代謝異常が原因だと考えられています。
筋肉のしくみと働き
筋肉は体重の40%を占める臓器で、体の運動や姿勢の維持を保つ働きをします。骨格筋は筋膜につつまれた筋線維のかたまりで、両端は硬くて丈夫な腱となって、骨に付着します。そして、複数の筋肉が協調して収縮したり弛緩することで、体は意思通りに動くのです。さらに筋肉には、体温を保持するという働きがあります。骨格筋には意思を伝える運動神経だけではなく、汗や血管を調節する交感神経が存在します。ですから、ヒトは寒さを感じると、筋肉が勝手に収縮して 体がふるえ、熱産生を促すのです。みなさんも、冬の寒い日に、ブルッと震えた経験があるでしょう。これが、筋肉がふるえて、体温を上昇させようとする、反射反応です。関節のしくみと働き
子供の腕を引っ張って、肘が伸びなくなったら、安静にさせ、すぐ整形外科を受診しましょう
体の中でも一番酷使される膝関節には、関節を補強する半月板が存在し ます。膝を曲げたり伸ばすことで、半月板の損傷や関節軟骨の摩耗が起こり、かつ膜に炎症が起こります。炎症の結果、かつ液が大量に生産されることで、膝が 腫れて痛みを生じます。さらに症状が進むと、骨自身の変形をきたし、手術治療が必要になることもあります。
以上が骨格の3要素の主なしくみです。それぞれが高機能に発達し、骨格として重要な働きをする臓器であることがわかると思います。また、代謝や神経とも深く関わりがあるため、骨、筋肉、関節の病気は全身に影響を及ぼす可能性もあるのです。
次のページでは、骨・筋肉・関節の病気の中でも特に身近な病気3つをご紹介します。