時折、「○○○万円で家が建つ」という注文住宅の広告や、雑誌の特集を見かけます。注文住宅ではかなり驚きの価格なのですが、ふと考えたのが「ローコストで長く暮らせる家は建てられるか?」ということ。豪華な設備機器や華美なインテリアを削って必要最小限にしたら、低価格で長く暮らせる家を建てられるのでしょうか?

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長く暮らせる家に本当に必要なものは何なのでしょうか
住宅はさまざまな部材と設備の集合体です。建築費を抑えようと思えば、全ての部材や設備を安いものにして、延床面積も小さくした凹凸のない家にするのが早道でしょう。当然、部材の点数も抑え、不必要な設備は削り、建築作業を合理化しなければなりません。このようにして建てた住宅なら、かなり安い金額で建てられると思います。

けれども、こうして建てた住宅は快適なのでしょうか? 長く安心して暮らせる家になるのでしょうか? 逆に、「長く暮らせて価格の安い家」を建てるには、何を残して、どこを削ればよいのでしょうか?

長く暮らせる家に本当に必要なものは何か?

どこを削ればよいかを考える前に、そもそも住宅として必要なものとは何かを考えてみましょう。

住宅を構成する最小限の要素として、まず、構造躯体があり、そこにキッチンや浴室、トイレなどの水まわりと給湯設備、冷暖房設備などが加わります。

これら全てを高機能なモノにすれば、便利で快適な家になるはずですが、半面とても高価になってしまいます。「価格の安い家」なら、どこかの費用を削らなければなりません。とはいえ、キッチンや浴室、トイレのない家は考えられません。ではどうすればよいのでしょう?

削れるところと残すべきところはどこか?

答えは「後から導入したり交換できないものにお金をかける」です。

つまり、「長く暮らせる家としての基本性能」を一番に考えるのです。具体的には、躯体にお金をかけること。キッチンや浴室、トイレなどの水まわり設備は、住宅そのものより修理や交換時期を早く迎えるので、その際にグレードアップすることもできます。給湯設備やエアコンも同様です。ですから、これら設備は必要最小限のモノにして、住宅の構造躯体そのものにお金をかけることです。

もちろん、ただやみくもに躯体にお金をかければよいというのではありません。躯体のどんな部分にお金をかければよいかは、次のページでお話しましょう。