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建築美と居住性を究めた「加賀レジデンス」

「部屋の角や天井の出っ張りがなければ」と感じたことは多いのでは。マンションから柱・梁を無くすことで実現した“美しさ”と“居住性”。従来の常識を覆す新世代のマンションが誕生しました。

執筆者:All About 編集部

“美しい”集合住宅

デザインの美しさがマンションの資産価値に影響するかと問われれば、答えは「イエス」である。美しいデザインは人々の憧れとなり、「あのマンションに住みたい」と思わせる大きな要素になる。それは取りも直さず市場での人気につながり、結果として資産価値を高める。そして、もちろんそこに住む人にとっては一つの“ステイタス”という満足となる。

そのデザインの美しさが際立つマンションが「加賀レジデンス」である。
目に映るのは壁と床がつくる一直線にのびる縦と横のライン、そしてほぼ等間隔に連続するバルコニーとサッシュのガラス。従来のマンションにある太い柱や分厚い梁はもちろん、華美な装飾などは一切施されていない、シンプルかつ均整のとれた外観は、明かに他と一線を画するものである。

鮮やかな白、格子状に連なる直線的ななライン。ひときわ目を引く美しいデザイン(平成20年9月撮影)
鮮やかな白、格子状に連なる直線的なライン。ひときわ目を引く美しいデザイン(平成20年9月撮影)

美しさを実現した技術とこだわり

「加賀レジデンス」の美しさは、卓越した技術と徹底したこだわり無くしては成立しなかった。

まず卓越した技術とは、鹿島建設が開発した「壁式免震構造(HIスマートウォール・特許出願中)」である。

ベースとなる壁式構造。これは柱・梁ではなく壁と床で建物を構成する構造で、この柱・梁が全く無いことが美しい外観のために不可欠な要素である。
しかし従来は5階建て程度までの建築物に使われるもので、「加賀レジデンス」のような高層建築にいかに取り入れるかというのが課題であった。

そこで、「人」の字型の住棟によって耐震壁としての戸境壁を縦横にバランス良く配置した上で、数々の超高層マンション施工の実績で培った技術、大黒柱のような「コアウォール」を据えることによって耐震性を向上させた。
加えて、鹿島建設が数々の実績を持つ基礎免震技術を、高い次元で融合させた「壁式免震構造」を完成させることにより、「加賀レジデンス」の美しい高層建築が可能になったのである。

竣工した「加賀レジデンス」。まっすぐに立ち上がる縦のラインと水平にのびるガラス面がシンプルな美しさの強いインパクトを与える(平成20年9月撮影)
竣工した「加賀レジデンス」。まっすぐに立ち上がる縦のラインと水平にのびるガラス面がシンプルな美しさの強いインパクトを与える(平成20年9月撮影)

もうひとつ大事なのが徹底したこだわりである。
「加賀レジデンス」の外観には余分なものが全く見えない。理由は至極単純で、見えないようにしているからである。

特にバルコニー。外からはガラス面のみが連続するように見えるのは、ガラス手摺を支える金属の柱が居室側(内側)に設えられているからである。また通常は目につく雨樋は、外観上は目立たない位置に引き込まれている。

そして各住戸のバルコニーには原則として室外機は置いていない。一部の住戸にはバルコニーに室外機が置かれているが、この場合には室外機を建物と同色の収納庫に収めただけでなく、収納庫の高さをガラス手摺より低くすることにより、外観への影響を最小限に抑えているのである。

バルコニー・室外機置場・雨樋。すべてが同じラインの上に配されている(B100-d1 typeモデルルーム)
バルコニー・室外機置場・雨樋。すべてが同じラインの上に配されている(B100-d1 typeモデルルーム)

次のページは、技術とこだわりが可能にした類い稀な居住空間について
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