キッチン/キッチン関連情報

新しいスタイルの集合住宅を見た!! コレクティブハウス・かんかん森(2ページ目)

北欧で浸透しつつあるコレクティブハウスの考え方、コモンミールと呼ぶ共食を基本とした新しい多世代型賃貸住宅の形式が、都内に実現しました。

執筆者:黒田 秀雄

 
コレクティブハウスのキッチン見学報告
 
 

コレクティブハウスの基本理念は、居住者がお互いのスペース、時間、知恵とお金も合理的にシェアしあって、新しい空間と暮らしを創造することにあります。ここ「かんかん森」では、その具体的な一例を「共食」という考え方にみることができます。
ここでは、週に3回コモンミールと呼ぶ共食の日があります。当番制の食事の準備は、月に1回程度の順で回ってきますが、あとは食べる側に回るだけです。毎日の食事の準備に頭を悩ます必要がなくなるわけです。
夕食時間は午後7時からだそうですが、食べる時間がなく取りおきしてほしい時は前もって予約を入れておきます。まだ3ヶ月しか経過していませんが、この共食という考え方が日本の社会で根付くことができるのか興味深く見守りたいと思います。


 
キッチンは10帖程度のスペースにアイランドの作業台とL字型レイアウトの家庭用システムキッチンと、I字型の業務用キッチンとで構成されています。カップボードの向こうは、共用のリビングルーム。
     
 

30人分の暖かい料理を、一度に作るにはやはり業務用のキッチン機器に頼らざるをえないという。特に左端のスチームコンビネーションオーブンは、その威力とできあがりの良さに感動したそうである。ここ人数に対応できる、もう少し小型の国産機器があるともっといいのにという意見も聞かれた。
冷蔵庫や炊飯器などは家庭用のモノで十分に間に合っているという。

 
 
ガスレンジも業務用のハイカロリーのモノを採用。
居住者の皆さんは、誰も栄養士や調理師の資格があるわけでもないが、プロの機器の使いこなしももう身についた様子。
右は二槽式の業務用ステンレスシンク。このシンクもやはり欠かせない道具の一つ。
 
 
食事の後片付けに威力を発揮するのが、本格的な業務用の食器洗い機。右のステンレスシンクで下洗いをしたあと、短時間で洗い上げてくれるので、コストパフフォーマンスという点では、業務用のオーブン/コンロ/食器洗い機の採用が、コモンミール成立のカギを握っているようだ。
冷蔵庫は家庭用の450リッタークラスのもの。食材を残すことはほとんどないようで、冷蔵庫の中身はほとんど調味料で占められ、一般家庭のそれとはチョット趣が異なる。
 
 
キッチンの奥には、3帖程度の広さの食品庫スペースを設置。
両サイドに、二段の棚板を取り付けただけの簡単な食品庫だが、これもコモンミールキッチンの必須アイテムとか。
 
 
リビングルームから見た食器棚
白に統一された食器類は、再生磁器を採用。

次のページでは、共用ユーティリティと専用住戸内をご紹介します。
(C)Oct.2003 Copyright HIDEWO KURODA KITCHEN SYSTEM LABORATORY INC.

 

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