お湯がまろやかになる南部鉄瓶
盛岡に南部鉄瓶のふるさとを訪ねる
盛岡市内のバスセンターからほど近いところに、「鈴木盛久工房」があります。こじんまりとした町家づくりの店頭が店舗となっていて、京町家のような奥深くに工房がある。
14代盛久が昭和56年に62才で没したあと、平成5年になって長女の志衣子さんが15代目を継いだ。
創業寛永2年(1625年)というから400年近い歴史を持つ甲州出身の御用窯師という伝統の重責は大変なものと思うが、店内のセンスは勿論、展示されている作品は独特の繊細さを感じさせてくれる。
予約もしないで訪問したため残念ながら当主がお留守で、お話は聞くことができなかったが、かえって作品だけをじっくりと拝見できた。
今回の盛岡旅行では数多くの工房と作品を見せていただいたが、独特のフォルムは盛久ならではのものだと感じた。
工房の全景
手前には鋳造を終えた鉄瓶がいくつも並べられ、次の作業工程を待っている。
当主の作業机。何処の鉄瓶工場も煤と粘土の土ぼこりにまみれ真っ黒で汚れた所が多かったが、さすが女性作家だけあって整理が行き届いている印象がする。こんなところも私が最終的にこの工房で鉄瓶を買い求めた理由かもしれない。
最後までどちらにしようか迷った二つの鉄瓶。
右の鉄瓶は、亀甲霰紋と呼ぶ細かい亀甲型をした霰が見事に並んでいる。
左の鉄瓶は、泉紋布団形鉄瓶でこの繊細な泉紋が素晴しい。
迷いに迷ったあげく結局左の泉紋布団形鉄瓶を購入した。
※次ページでは向いの工房「鈴木主善堂」と盛岡市内の歴史建造物をご紹介します。
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