団塊世代のキッチンが大切なわけ

「2007年問題」が社会問題化すると言われ続けきたその年がついに現実となりました。今年から向こう3年間、日本の全人口の5.3%にあたる約700万人が定年退職の時期を迎えます。そして高齢化社会はますます加速し10年後には国民の4人にひとりが65歳以上という超高齢化社会も目前です。さてあなたのキッチンはこの2007年問題にどのように答えてくれますか?


2005年と2015年の人口構成の変化グラフ(左は男性、右は女性)
国立社会保障・人口問題研究所HPより作成


筆者もかって通ったベターホーム協会「60歳からの男の基本料理の会」風景


特にこの世代の方々にとって大きな課題となるのがこれからの食生活とキッチンのあり方でしょう。子供たちの成長と自立を経ると夫婦二人だけの生活が基本となります。今までは勤めに出かけて顧みる必要のなかった一連の家事作業にどう参画するか?家事空間の中でキッチンは「主婦の城」という言葉で語られ、「男子厨房に入らず」を良しとしてきました。しかし平均寿命が伸びる中このままの状態で20年以上も生活を続けることはあり得ないでしょう。

退職した男性たちがキッチンに入ることは時代の趨勢なのです。さああなたも躊躇せずにキッチンに入りましょう。そして参画できるキッチンリフォームにチャレンジしましょう!

団塊世代の無職老人たちはバブルの絶頂と奈落の底の両方を体験した人が多いのが特徴です。その間に鍛えられ研ぎすまされた感性はキッチンで実現することができます。

例えば、スローフードに代表される自然回帰指向の強まり、健康志向の高まりと食材へのこだわり、保存食品のストックシステムの充実。手づくり料理に代表されるキッチン設備の充実と性能アップ、こだわりの食器や調理道具のための収納整理の充実、立ち姿勢だけでは疲れる高齢者用調理台やキッチン、安全で手入れの楽な加熱調理機器の選択、疲れない水仕事と安全な水の供給が確保される給水浄水方式の検討、食事の後片付けを手助けする大型食器洗い機の装備、環境負荷の少ない厨芥処理システムの充実なども、団塊世代のキッチンリフォームに考えたい課題です。

団塊世代は趣味の世界も幅広いのが特徴です。女性の場合は料理やお菓子づくりを趣味にされ、お友達を集めてミニ料理教室を始められる方も増えています。男性の場合もスポーツやレジャー、旅行等の行動的趣味はもちろんですが、俳諧や絵画・写真などとともに陶芸、七宝、木工、染織などもキッチンリフォームと合わせて趣味の部屋を考えたいですね。自立した子供部屋の再活用をこのように考えることもできます。このような趣味空間にはキッチンと同じく給水設備や加熱設備、換気設備などが必要な場合もあります。

私が趣味にしている写真には現像に必要な暗室や大きなシンクが必要になります。又燻製づくりやピザ窯なども従来のキッチンでは考えられなかった要素でしょう。どうやればこのような趣味に合ったキッチン空間やキッチンに連続する空間を考えるかが大切になります。

キッチンリフォームは、見えない部分の劣化が思いがけないほど進行している現場が数多くあります。リフォーム計画段階で見えない部分の修復費用を予測することも大切です。


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