団塊世代のキッチンリフォーム Vol.2
TOTOリモデルデータに見る
マンションリフォームの実態
先月末、TOTO新宿ショールーム会議室に於いて報道関係者を集めた「マンションリモデルへのTOTOの取組み」と、関連新商品「お掃除ラクラク1:フローピア魔法びん浴槽KGシリーズ、2:フチなしウォシュレット・NEWアプリコット」の発表会が開催されました。この発表会の中で、キッチンガイドが今年から始めた「団塊世代のキッチンリフォーム」連載記事に関連する興味深いデータも示され、TOTO広報部の協力を得ることができましたので、データを交えながらご紹介します。
今回の発表会に出展されたのはマンションリフォーム用アイテムとしてのバスユニット、洗面化粧台(リモデア)、トイレ(レストパルSX)等の一連の新商品です。この会には
次ページでご紹介するキッチン(キュイジアA型+フラット対面型)の新商品は出展されませんでした。
まず最初のデータは、築年数別マンションリフォームの実態調査のまとめです。このデータを見るとリフォーム実施の時期は築15年~19年に2割近く、築20年~24年経つと26%ものユーザーがリフォームに取組んでいることが分かります。又右のグラフでは20年~24年経過した浴室リフォームの際に、リフォーム用バスルームの採用率が34%近くにまで伸びていることが分かります。
次のデータは築15年以上経過したマンションのストック数の伸びを示したもので、2007年現在では252万戸ものストックがあり、今後もその数は着実に伸びることが分かります。
ストックは着実に増えて行くことが分かりましたが、ここで問題となるのが水まわりのスペースの「狭さ」です。築15年以上経過したマンションの浴室の広さは壁芯寸法が1820×1365のスペースを浴室とした0.75坪(通称1612タイプ=1600×1200が浴室の内法寸法となるためこう呼びます。=以下同じです)以下のタイプが4割以上を占めているのです。通称1616サイズの1坪タイプを含めると実に8割以上、1.25坪(通称1620タイプ)という1820×2250以上の浴室は2割を切ります。築15年未満のマンションでは0.75坪タイプ以下の浴室は25%を切っており、浴室スペースが着実に広がっていることが分かります。
同様に最近のマンションでは、トイレの広さも1畳以上確保しているのが30%以上と広がってきていることが分かります。洗面所の広さも8割以上は1畳以上のスペースに広がりました。
ここでマンション居住者の意識を調査した興味深いデータがあります。今から25年位前までは”マンション住まいは仮の住まい”すなわち、いずれ住み替えるんだという気持ちの方が60%もいたのが、3年前の調査では26.5%にまで減り、逆に22.5%程度しかいなかったマンションへの永住意識が48.8%と、ほぼ半数の方々が「終のすみか」としてとらえるようになったことは、団塊世代の住まい意識変化でもあるし、団塊世代がリフォーム意識を強く持ちはじめている背景にあることが理解できます。マンションはこの10年で「終のすみか」に逆転したのです。
では、実際に築15年以上のマンションに住んでいる方達のライフステージはどうなっているでしょうか?全体の平均年齢は57.2歳とまさしく団塊世代そのものです。その家族構成は末子が大学生で平均年齢56歳の方が6割近くおられ、夫婦2人または一人暮らしをされている方が4割以上もおられることが分かります。
子供たちが成長期の家族にとってマンションは手狭な空間ですが、成人して巣立っていく子供たちをもつ団塊世代の方たちにとっては、スペースに余裕ができキッチンやサニタリー等の水まわり空間のリニューアルへの要求が高まる訳です。
次ページでは、TOTOが2月1日から新発売した「キュイジアA+フラット対面型」をご紹介します。
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