ドイツ・インターツム展示会に見る
最新キッチン金具
今年5月13日~16日まで開催された「インターツム2009」は、ドイツ・ケルンのメッセ会場で、1959年から2年に一度開かれてきた世界最大級の「家具産業サプライヤの見本市」です。
家具金物をはじめ、突き板やメラミン化粧板などの家具仕上材なども大規模に出展されます。特に家具金物の中でもキッチン金具には、金具メーカー各社が全力投球する新製品が出そろう見応えのある内容となります。
この見本市に登場した新しい機構の金具類が、翌年開かれる世界各国の家具見本市に製品となって使われる訳です。来年4月に開かれる予定のミラノサローネ(ミラノ国際家具見本市)や、併催されるユーロクッチーナ(ヨーロッパキッチン家具見本市)に、どこのキッチンメーカーが、どこのキッチン金物を採用した新製品を発表するのか注目される訳です。
経済危機の影響から各社の海外出張予算も削除され、新型インフルエンザの流行が重なって、日本からはほとんど視察がおこなわれなかったそうです。私自身も訪問できなかったので、今回の記事はオーストリア・ブルム社の日本総代理店であるデニカ株式会社のご好意により提供いただいた資料をもとに執筆したものです。
ブルム社の展示ブース入り口
ブルム社のブース内光景
引出し部材の「現行品・タンデムボックス・プラス」と「新製品・タンデムボックス・アンタロ」
「タンデムボックス」用の「サーボドライブ」は電動で引出しが開く。両手が塞がっていても、扉の一部をちょっと押すだけで引出しが開く。
ここまでは、現行商品でもあり、すでに国産キッチンメーカーの中でも採用しているところがある。
「タンデムボックス・インティーボ」には、参考展示品としてLED照明が組み込まれている。
このシルクホワイト色の「タンデムボックス・インティーボ」は、内引出しにガラスを使用した例。
今回発表された目玉商品が、この画期的なヒンジ「クリップトップ・ブルモーション」です。
Everything Inside(すべてを内蔵する)をキーワードに開発されたこのヒンジには、新開発のブルモーション機構が内蔵されているのです!
すなわち、このヒンジを扉に取り付けるだけで、快適なブルモーション機能が得られるのです。
もちろん、小さく軽い扉の場合にはブルモーション機能を解除するスイッチもあります。
扉を電動で開く装置(電動モーター)としては、スライド・ヒンジ用「サーボドライブ」(参考出品)が別途必要で、これも参考展示された。
このように新しい機構の引出しシステムやヒンジが、これからのキッチンデザインにどのような影響を与えるのか、来年の家具見本市に興味が高まるわけです。
(C)Sep. 2009 Copyright HIDEWO KURODA KITCHEN SYSTEM LABO.INC.